女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は17日、第44話が放送され、俳優の木村達成(30)が好演してきた三条天皇の最期が描かれた。
<※以下、ネタバレ有>
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。
第44話は「望月の夜」。長和4年(1015年)。目も耳も悪くなり、譲位を迫られた三条天皇(木村達成)は自身の姫皇子・やす子内親王を藤原頼通(渡邊圭祐)に嫁がせようと画策。承諾しない藤原道長(柄本佑)を准摂政に任じた。
道長は、頼通が藤原伊周(三浦翔平)の怨霊により命の瀬戸際の病に冒されていると噂を流した。即位から4年半、三条天皇は「万策尽きたか」と嘆き節。藤原実資(秋山竜次)が助言した“奥の手”に従い、愛息・敦明親王(阿佐辰美)が東宮になることを条件に譲位を承諾した。
一条天皇(塩野瑛久)の第二皇子・敦成(あつひら)親王(母は彰子)は9歳にして即位。長和5年(1016年)、後一条天皇(橋本偉成)の即位式が執り行われ、道長は幼き帝の摂政に。名実ともに国家の頂点に立った。藤原彰子(見上愛)は国母となった。
寛仁元年(1017年)、頼通が後一条天皇の摂政に。早速、19歳の妹・藤原威子(たけこ)(佐月絵美)に10歳の後一条天皇への入内を依頼。威子は嫌がったものの、寛仁2年(1018年)春に実現した。
三条院は愛妻・藤原すけ子(すけ=おんなへんに成)(朝倉あき)と敦明親王に見守られ、崩御。「闇だ。闇でない時はあったかのう。すけ子、闇を共に歩んでくれて、うれしかったぞ」――。
「時勢に翻弄され続けた三条院は、42歳で世を去り、後ろ盾を失った敦明親王は、自ら申し出て、東宮の地位を降りた」(語り・伊東敏恵アナウンサー)
オンエア後、撮影現場からの音声コメント「君かたり」が番組公式SNSにアップされた。
▼木村達成(演じ切って)置かれている立場も苦しかったと思いますけど、なんだかんだ一生懸命、それこそ謳歌したような感じはあったかなと。それこそ道長との駆け引きのシーンも、割と楽しんでいるようには僕は受け取ってはいたので。長い東宮時代から晴れて帝になれたのもあった分、政を動かすのも心は躍っていたような気持ちはしますけどね。
(譲位を迫られて)全部出し尽くしちゃったので、しゃあないなとは思っていますよ。しょうがないな、と。ずっと(帝で)いたいと言っても、道長も自分の右腕にはなかなかなってくれそうもなかったので。「目と耳になれ」という台詞は僕は好きでしたけど、それ以降はあまり動いてくれなかったので。敦明に託したという感じですかね。自分が譲位した後でも、家族は幸せでいてほしいという気持ちはどこかに絶対あると思うので。
(三条天皇の最期)何かと最期の思いには託していたと思います。それこそ、すけ子は泣いているけど。最後、見えない月を見て、もう1回、闘志に火をつけているような、そういう感じはありましたね。だから、亡くなった後、敦明が東宮から降りていることにブチギレていると思いますよ。何やってんねん!と。敦明らしいけどね(笑)。
次回は第45話「はばたき」(11月24日)が放送される。