◇空手JKC全日本学生フルコンタクト選手権(2024年11月17日 国立代々木競技場)
第3回大会は男女計13部門に172人がエントリーして行われ、1部女子軽量級(55キロ未満)は岡田葵(22=愛知教大4年)が3連覇を果たした。同重量級(55キロ以上)は小林由依菜(19=名古屋リゾート&スポーツ専門学校2年)が初優勝。1部男子は軽量級(65キロ未満)が三井所太陽(19=福岡医療専門学校2年)、中量級(75キロ未満)は千田隼人(20=近大2年)がそれぞれ初V、重量級(75キロ以上)は河合透吾(20=北海商大3年)が2大会ぶりに制した。
岡田は試合後、しゃがみ込んで涙を流した。競技人生の集大成となる舞台で、自ら花道を飾り「重圧があったが、本当に勝ちたかった。これで引退だと思っていたので、思いがあふれた」と振り返った。
一昨年は清水(京都光華女大)、昨年は金城(沖縄国際大)を決勝で破って連覇。第3回を数えるインカレの中で3連覇を狙えるただ一人の選手として臨み、再び決勝で金城と顔を合わせた。
「彼女も私に勝とうと思ってやって来る。でも、金城さんに勝ってこその3連覇だと思った」。準決勝で喉を痛めるハプニングもあったが、決勝は手数で上回り、判定勝ちした。
5歳から空手道一筋。一方で、愛知教大で図画工作・美術を専攻。ガラス工芸のゼミに入り、繊細さが求められるガラス加工に取り組んできた。4年生となった今年は、夢だった小学校の教員試験に合格。来春からは福井で図工を教える生活が始まる。
「一度は(故郷の)愛知を離れようと思った」と福井を選んだ理由を明かす。「3連覇して空手での夢はかなえた。来年、小学校の先生になるという夢もかなうので、今後は空手で学んだ礼節を子供たちに伝えたい」。大会の歴史に名を刻み、笑顔でインカレを去った。 (倉地 城)