日本ハムの21年ドラフト1位・達孝太投手(20)が17日、千葉・鎌ケ谷での秋季練習に参加し、今オフに米アリゾナ州で自主トレすることを明かした。単身で12月上旬から20日間、現地のトレーニング施設で動作解析などを行う予定。滞在費は約780万円と高額で、今季年俸1000万円の約8割を自己投資する形だ。勝負の4年目へ、期待の右腕が異国の地でパワーアップを目指す。
入団当初からメジャー志向が強く、常に妥協は許さない。そんな達が今オフ、ついに米国で本場の野球に触れる。単身で来月上旬から20日間、米アリゾナ州で自主トレを実施。勝負の4年目に向けての足がかりとする。
「アメリカに行くのは初めて。雰囲気とか環境とか食事だったり、日本とは全然違うものがあると思う。そこでいろいろ情報を収集したい。向こうのトレーニングを一度でも経験しておきたかった」
驚きなのはその滞在費だ。渡航費や施設利用料などを合わせて「5万ドルくらい…」と打ち明けた。日本円で約780万円。今季年俸1000万円の約8割と桁外れの自己投資に「もうお金ないですよ!」と苦笑い。それでも右腕は「まあ、それで500億くらい稼げたら全然、いい投資だなと思うので」と、涼しい表情を浮かべた。
十分な費用対効果もある。今季の平均球速は147・5キロで「それをあと2・5キロ上げたい」と具体的な目標を語る。そのためアリゾナでは動作解析を行う予定で「莫大(ばくだい)なデータがある。その中で自分の身長や体格に近い選手がいっぱいいる。“答え”がたくさんあると思う」と、球速アップの秘訣(ひけつ)を探してくる。
10月3日のロッテ戦で今季初先発し、5回3安打無失点で3年目で待望のプロ初勝利を挙げた。4年目の来季はローテーションの一角としての働きが期待されるが「自分でコントロールはできないのでね。あまり意識せず、自分が成長できればそれが一番のアピールになる」。夢のために自己投資は惜しまない。来季は米国での修業の成果を見せる。(清藤 駿太)