声優・山寺宏一(63)が18日、今田美桜(27)主演の2025年度前期NHK連続テレビ小説「あんぱん」に出演することがわかった。山寺はアニメ「それいけ!アンパンマン」でジャムおじさん、名犬チーズ、カバおなど、複数キャラクターを演じている、同作ゆかりの声優。制作統括の倉崎憲氏も「山寺さんの存在が必要不可欠」と期待を込めた。
同作は、国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家やなせたかしさんと妻・小松暢さんがモデルの物語。戦争を生き抜き波瀾(はらん)万丈の人生を送ったやなせさんと、支えた妻の愛と勇気を描く。脚本は中園ミホ氏が手掛けるオリジナルストーリー。ヒロイン・のぶを今田美桜、のぶの夫、柳井嵩(やない・たかし)役を北村匠海が演じる。
「半分、青い。」「なつぞら」「おかえりモネ」に続き4作目の朝ドラ出演となる山寺が演じるのは、嵩が通う芸術学校の教師・座間晴斗(ざま・はると)。嵩にとって生き方、人生の考え方の基本を教えてくれた恩師だ。
モデルとなったのは、やなせたかしさんが、自身の著書「アンパンマンの遺書」の中で紹介した恩師・杉山豊先生。やなせさんに影響を与えた実在の人物を演じるにあたり、山寺は「座間晴斗は、やなせ先生の恩師がモデル。型にとらわれず本質を見抜き、学生達に真の自由を説く、当時としては稀有な先生だと思います。ドラマでは、ひょうひょうとしながらもユニークでおちゃめな面が加わっているような…。やなせ先生への感謝を込めて、この役に全力で取り組みたいと思います!」と意気込んだ。
やなせさんが生み出した「アンパンマン」との縁については「36年前『それいけ!アンパンマン』のばいきんまんのオーディションには落ちたものの、めいけんチーズ役としてレギュラーになれたことに感謝です」と回顧。「アニメ放送開始から担当している『チーズ』『カバお』『かまめしどん』はもちろん、増岡弘さんから引き継いた『ジャムおじさん』も好きを超えた大切なキャラクターです。“ひもじい人を助けたくてパンを焼く”まるで先生の代弁者のようだと感じます」と思いを馳せた。
制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサーは、山寺の起用について「“自由に責任をもって行動してほしい。机で勉強しているだけではろくな作品はできない。銀座で吸収するものは、学校で習うものよりも栄養になる”と豪語する先生がモデルで、真の意味での“自由”を説くのに説得力を持つであろう山寺さんにオファーさせていただきました」と意図を告白。「アンパンマンにも『あんぱん』にも山寺さんの存在が必要不可欠なのです」と絶大な信頼を寄せた。