キャスター辛坊治郎氏(68)が18日、ニッポン放送「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(月~木曜後3・30)に生出演し、17日に投開票された兵庫県知事選で、失職した斎藤元彦前知事(47)が再選を果たしたことについてコメントした。
パワハラやおねだりなど数々の疑惑を指摘され、県議会から全会一致で不信任決議を受け失職した斎藤氏は、元尼崎市長の稲村和美氏、日本維新の会を離党した前参院議員清水貴之氏ら無所属6新人を破り、再選を果たした。選挙戦では斎藤氏への評価や、混乱した県政の立て直しなどが問われたが、斎藤氏はSNS戦略を駆使して大きな流れを起こし、最終盤で形勢を逆転した。
もともと斎藤氏への疑惑追及に疑念を持っていたという辛坊氏。「兵庫県は4期も5期も前の政権が続いたので、職員その他、その体制に慣れちゃっているので、新しいトップが来て何かやろうとすると、猛烈な反発を食らっちゃうというということが背景にあるんじゃないかなと解説したのは、たぶん私だけじゃないかと思いますよ」と、あらためて前言を披露。「結論からすると、そういう見方をした兵庫県民が多かったってことですかね」と見解を示した。
問題の発端は、3月に報道各社などに送られた告発文書。斎藤氏は送り主の県幹部を停職3カ月の懲戒処分とし、男性はその後、死亡した。自殺とみられる。この文書について、辛坊氏は「内部告発とされているものは、もともと匿名の怪文書で、テレビ局に送りつけられた。あれを告発と呼ぶのか、怪文書と呼ぶのか。私は、状況から呼ぶと怪文書だなと。書かれている内容も、私の印象で言うと怪文書ですね」と断じた。
パワハラ疑惑については、斎藤氏が乗ろうとしたエレベーターが直前で閉まり、職員を叱責したとの事例などを挙げ、「客観的に起きたことを見てみると、怒った知事が悪いというより、集団で知事をいじめているような感じなんですよね」と指摘した。
出張先で県産品をおねだりしたとの指摘については、「県産品の産地に行ったら、“僕も欲しいですね”は言うでしょう」と、社交辞令の一環であると解釈。「自宅の玄関先に贈り物が積まれてる状況なら問題だろうという話だけど、問題になっているものって、公のところに送られたもの」との認識を口にした。逆に「相当高潔な人物でないと、もうちょっと何か出るだろう。これくらいしか出ないのかと」とも話した。
数々の持論を展開した上で、「私が斎藤さんにアドバイスするなら、東京都の小池(百合子知事)さんみたいに、自分の会派を育てなさい、議会の中で」と、斎藤氏に助言を送った。