詩人の谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)さんが、13日22時05分に老衰のため杉並区内の病院で死去したことが19日、分かった。92歳だった。詩人として数多くの名作を残しただけでなく、翻訳や歌の作詞など幅広い分野でその才能を発揮した。
谷川さんは1931年12月15日生まれ、東京都出身。52年に処女詩集「二十億光年の孤独」を刊行した。
詩だけではなく、62年には「月火水木金土日のうた」で第4回日本レコード大賞作詞賞を受賞するなど、歌の作詞、脚本やエッセイの執筆、評論活動などさまざまな分野で才能を発揮。人気アニメ「鉄腕アトム」の同名主題歌の作詞も手掛けている。
67年には初の訳書となる「あしながおじさん」(ジーン・ウェブスター)を出版。レオ・レオニの「スイミー」など翻訳の分野でも数多くの作品を世に送りだした。
作風は「わらべうた」、「ことばあそびうた」など子供向けの作品から、「コカコーラ・レッスン」など挑戦的なものまで幅広く、老若男女に親しまれている。谷川さんの詩は英語、フランス語、ドイツ語、スロバキア語、デンマーク語、中国語などに訳されており、世界中で多くのファンを持つ。