大みそかの「第75回NHK紅白歌合戦」(後7・30)の出場歌手が19日、発表された。ブレーク中の男性アーティスト・こっちのけんと(28)が初出場。俳優の菅田将暉(31)の実弟で、2019年に初出場した兄に続き、憧れの夢舞台に立つ。取材に応じ「この後、兄に紅白について聞いてみたい」と喜びを語った。
5月に配信した曲「はいよろこんで」がTikTokなどでヒット。サブスクリプション(定額聴き放題)の総再生回数は1億3000万回超え、曲が使われた動画などを含めたSNSでの総再生回数は140億回を突破。「はいよろこんで」は新語・流行語大賞にもノミネートされた。
取材に応じたけんとは「昨日、韓国から帰ってきたばかりで…。疲れたなって眠って、朝起きてやることがあったので事務所に行ったら、いたときに作業があって事務所にいったら、急に壁際に立たされて。“ちょっと動画撮るぞ”と言われたあとに“紅白歌合戦が決まりました”って…。もう、わけが分からなくって」と、報告された朝の様子を告白。「紅白出場は目標でしたが、まさか本当に現実になるんだって…。今の今までずっとドッキリだと思ってて。さっき白いカーテンが落ちる瞬間まで、僕だけにドッキリの看板あるんじゃないかって思ってました」と明かした。
ドッキリではなく、自身でつかんだ大舞台。「めちゃくちゃ泣きそうになった」というが、「すぐに“この後会見があるから着替えてってな”と言われて、一瞬で涙が引っ込みました」と茶目っ気たっぷりに語った。
報告したいのは「やっぱり家族」といい、「今年、結婚したので妻に。そして、同じ業界で切磋琢磨しているライバルであり友人である兄や弟にも伝えたい」と、兄の菅田将暉や弟の菅生新樹を挙げた。
19年に紅白初出場した兄・菅田将暉については「特に紅白の話は聞いてなかったっすね」というが「まさか自分が出させていただくとは…当時、全く思ってなかったので。ちょっとこの後、聞いてみたいです」とはにかんだ。
今年1年について、「前半は『双極性障害』という、躁うつと戦っていて。その経験を元に作ったのが『はいよろこんで』です。この曲ができたのが5月の末でした」と、これまでの歩みを回顧。「本当にありがたいことに、自分のできることを全て発揮できるチャンスをいただいて。自分も成長しつつ、“こっちのけんと”のチームの皆さんも、今までこんな大舞台を経験したことない人たちで。全員で右も左もわからないまま、手探りのまま、とにかく今できることを後悔のないようにと過ごしてきたので、“楽しかった”とか“嬉しかった”“悲しかった”ということを感じてないまま突っ走ってきた1年だったなと思っております」と充実感をにじませた。
本番当日のパフォーマンスについては「紅白のテーマが『あなたへの歌』なので、僕と同じように人生に悩んできた人へ向けて、自分が今この場で、この場を借りてできること全てを出し切って、誰かの元気になるきっかけや、前を向けるきっかけになれるようなステージをお届けできればなと思っております」と意気込んだ。