ジャーナリストの鈴木エイト氏が18日、TBS「news23」(月~木曜後11・00、金曜後11・58)に出演。無所属の前職・斎藤元彦氏(47)が再選された兵庫県知事選について言及した。
パワハラ疑惑などを巡り県議会で不信任決議を受けたが、X(旧ツイッター)やYouTubeなどのSNS・動画サイトを駆使した選挙戦略で“風”を起こし、大逆転で再選を果たした斎藤氏。鈴木氏は選挙戦終盤に現地で取材し「これまでの選挙とは違う、何とも言えない違和感」を覚えたという。
「みんなで盛り上げて悲劇のヒーローを応援しているような感じがあった。斎藤さんはアジテートするわけではなく淡々と話すだけで、これは一体何なんだろうと。陣営がどこまで想定していたか分からないが立花氏が入ったことで想定を超えたことが起きてしまっていたのではないか」と振り返り、“勝手連”的な支援で斎藤氏を後押しした政治団体「NHKから国民を守る党」の党首・立花孝志氏の存在感に言及した。
「これは本来の選挙の形ではない。非常に危うさを感じています。これを成功体験と呼ぶべきではない」と鈴木氏。小川彩佳キャスターから“危うさ”の正体を問われると「メディアに対して憎悪を向けるような声が上がっていた。斎藤氏を追い込んだメディア、追い込んだ県議会に対しては何をしてもいい、何をどんなに追及してもいいんだというような憎悪を呼んでしまっているところがある」と語った。
今回の選挙では、有権者は新聞、テレビなど既存のメディアよりSNS上の情報を基に一票を投じたといわれている。鈴木氏は「テレビとSNSの対立、SNSがオールドメディアであるテレビに勝ったという指摘をしている人も多いが、私はそういうことではないと思う」とし、斎藤氏が不信任決議後に複数のテレビ番組に出演したことに触れ「既存メディアを最大限に利用していた」と指摘。SNSについても「元々知名度は高かったが、マイナスのイメージをSNSによってプラスに変えた。SNSを手段として使った。SNSは手段でしかない」と私見を語っていた。