NHKは20日、東京・渋谷の同局で定例会長会見を行い、8日に文芸春秋らを相手取った名誉毀損(きそん)の民事訴訟を取り下げたお笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)について言及した。
担当者は松本の番組について「現時点で放送する予定はありません」と説明。松本への対応については「NHKとして具体的な方針を定めているわけではなく、ご本人が芸能活動を休止するということでやっている」とした。
松本が女性に性的行為を強要したと報じた「週刊文春」の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして5億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟を巡り、今月8日、所属する吉本興業を通じて裁判の終結と自身のコメントを発表した。
松本は「これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました」と思いを告白。
「松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」と謝罪した。
同局では、昨年10月に松本をMCに起用した性教育番組「松本人志と世界LOVEジャーナル」(NHK総合)を放送。ラッパーの呂布カルマ、作家で元AV女優の鈴木涼美、Eテレの性教育番組「はなしちゃお!」MCのラランド・サーヤも出演し、話題となっていた。
「松本人志と世界LOVEジャーナル」のNHK・オン・デマンドでの配信について「配信しておりません」とした。
松本は週刊文春との裁判に注力するため1月から活動を休止中。今後は、芸能活動再開の時期などに注目が集まる。