NHKは20日、東京・渋谷の同局で定例メディア総局長会見を行い、大みそかの「第75回NHK紅白歌合戦」(後7・20)についてコメントした。
同局は19日に今年の出場歌手、紅白両組、特別企画を含めて42組を発表。Number_i、こっちのけんと、Creepy Nuts、Omoinotake、tuki.ら10組が初出場を決めた一方、41年ぶり2回目の出場となったTHE ALFEEをはじめ、GLAY、イルカ、特別企画での復活となった氷川きよしなど復活組が多数。
昨年の出場者の中では、16年連続出場中だったPerfumeやゆずなどの常連組や、NHKのスポーツテーマ曲を手がけたYOASOBIなどの名前なし。出場が期待されていた今年6年半ぶりにファンの前で歌った中森明菜、国民的に愛されるサザンオールスターズ、放送中の朝ドラ「おむすび」の主題歌「イルミネーション」を手がけるB'zなどもこの日のリストにはなかった。
また、旧ジャニーズ事務所のマネジメント業務などを引き継いだ「STARTO ENTERTAINMENT」所属アーティストの出場はなし。昨年44年ぶりに旧ジャニーズ勢が出場しなかったが、今年も返り咲きとはならなかった。番組制作統括は取材に交渉したが、実現しなかったとし、追加出場する可能性はないと断言。今後の交渉もないとした。
山名啓雄メディア総局長は「75回目ということで昨日ようやく発表させていただいた。今年の歌い収めを番組の中でしていただくということで、こんな感じなのかと。私自身も(会見の)現場にいましたので、それぞれの皆さんが物凄い思いを持って出演してくださるので楽しみ」と期待感を口に。「『あなたへの歌』がテーマなので、それを視聴者の方々にどういった形で届けていただけるのか、楽しみです」と話した。
発表のタイミングが例年より遅かったとの指摘には山名総局長は「別に日付が決まっているわけではなく、さまざまなアーティストの皆さんと調整して決めている」と説明。担当者は「制作過程の詳細についてはお答えを控えさせていただきたい。1社だけ交渉しているわけではないので、さまざまな調整があって19日の発表となった」とした。
この日の定例会長会見で、稲葉延雄会長は「2024年を締めくくるにふさわしい豪華な皆さんで大変うれしく思っています。期待しております」とコメント。「伝統をしっかり引き継ぎつつ、新しい時代に合ったようなチャレンジもしている。新しい時代にマッチした紅白になれば」とした。
今年のテーマは「あなたへの歌」。さまざまな年代や性別の視聴者に届くアーティストを選定していた。
例年、紅白は(1)その年の活躍(2)世論の支持(3)番組の企画・演出に合うか――の3点を軸に出場歌手を選定している。