元広島監督の野村謙二郎氏(58)のYouTube「ノムケンCHANNEL」に広島の駐米スカウトを務めるエリック・シュールストロム氏(57)、スコット・マクレーン氏(52)、ブラッド・エルドレッド氏(44)が出演。元広島助っ人でもある3人が米球界のデータ偏重に警鐘を鳴らした。
マクレーン氏が「米国では評価基準が変わってきた」と切り出した。「打率で評価されていたものが、打球角度や速度での評価になっている」と問題を提起した。
その問題にシュールストロム氏がさらに深く切り込んだ。
「今のメジャー選手は魂でプレーしない。与えられた数字をいかに成し遂げるかだけ」と嘆いた。
現在のメジャー球団は野球未経験でデータに特化した頭脳明晰(めいせき)な人間が運営していると指摘。詰まったヒットで勝利に貢献するより、角度のある大きなフライを4打席放った方がデータには一番よかったと記録される。
実際にひどいピッチングをした投手が試合後に幸せそうな顔で出てきたのを見たという。いつもより球速が出て、ボールの回転数も高く満足していたからだ。
シュールストロム氏は「日本には今の米国のスタイルを目指して欲しくない。日本の野球が持っていたものを進化させて欲しい」と訴えた。
その熱い言葉にエルドレッド氏も「その通り!」と同調した。
かつての助っ人外国人たちの日本野球に対する愛情を感じたのか、野村氏は「本当にそう、泣きそう…」と感激していた。