◇大相撲九州場所11日目(2024年11月20日 福岡国際センター)
幕下西筆頭の羽出山(はつやま、25=玉ノ井部屋)が旭海雄(24=大島部屋)を下し4勝2敗で勝ち越し。来場所の新十両昇進が決定的となった。
相手の攻めに土俵際に追い込まれたが、逆転の上手投げ。花道では兄弟子の十両・東白龍や足立新田高で同学年だった幕下・東俊隆らに祝福され「うれしい。何が何でもチャンスをものにしたいという思いで頑張ってきました」と喜びをかみしめた。
東洋大4年時に全国学生選手権16強の実績を残し22年春場所で三段目最下位格付け出しで初土俵。今年の秋場所で7戦全勝の優勝を果たし今場所は十両昇進を狙える自己最高位で迎えていた。最初の相撲を落としたが、そこから3連勝。3勝1敗で迎えた草野戦は硬さもあり持ち味を出せず一方的な相撲で敗れた。「先代(元関脇・栃東)や周囲からも硬くなっていると言われた」。初心に返って見つめ直すとともに師匠の玉ノ井親方(元大関・栃東)から「ゲン直しに外に食べにでもいってこい」と言われ、気持ちを切り替えられた。「もう1番ある。気持ちを緩めることなく最後も勝って今年をいい形で終わりたい」と表情を引き締めた。
▼玉ノ井親方 本人はもっと早く上がりたいという思いはあったんだろうけど、腰のヘルニアもあって体調も良くない時期があった。地力はつけてきたと思うし、先場所の優勝も自信になったはず。三役までいける素質はあるので、あとは本人の努力次第。これからは四つ相撲でも取れるようにしないといけない。勝負はここからだね。