長年親交のある役所広司(68)は本紙に「火野正平さんは本物のプロの役者さんだったと思います。仕事に関しては、正平さん独特の流儀がありました」と追悼のコメントを寄せた。
若い頃から時代劇などで共演。酒を酌み交わすなど親交を育んできた。その際に映画での共演を約束しており、21年には役所が映画賞のイベントで「ロードムービーで、耳の聞こえないおじいさんと目の見えないおじいさんが2人で小さなアパートに暮らすところに、何か怪しい大金が転がりこんで日本中を旅をする物語」と構想を明かしていた。その約束は果たされず「お互いじぃになったら一緒にやろうと約束した映画が実現できなかったのが心残りです」と悲痛な思いを吐露した。
今や日本を代表する俳優の役所だが、その原点は火野さんがいた。「たくさんの後輩の俳優たちを励まし、勇気を与えてくれた方でした。私もその後輩の一人です。もっとたくさんおしゃべりをしたかったです」としのび、「正平さん、ありがとうございました。また!」といつかの再会を約束した。