J1新潟は20日、聖籠町のアルビレッジでビルドアップやゲーム形式のメニューで汗を流した。30日のホームG大阪戦で7試合ぶりの勝利を奪うために必要なのが先制点。豊富な運動量を誇るMF星雄次(32)はつなぎ役としての役割を全うし、前線に好パスを送ろうと意識を高めている。
「久しぶりにやった」というビルドアップの練習。松橋監督がボランチやセンターバックに立ち位置やパスの選択肢などを細かく提示し、GKから敵陣までボールをつないで前進させる課程を繰り返した。ボランチに入った星は狭いエリアで何度もパスを受け、的確にボールをさばいた。
どのポジションも質高くこなすが、9月以降はボランチでの起用が固定化した。どこにでも顔を出して攻撃の潤滑油になるつなぎ役が仕事と自負し、フル出場した前節の柏戦も活躍が目立った。
しかし満足はしていない。リーグ戦は7戦連続で先制点を取れておらず「前半から迫力を出した攻撃ができれば」と強調。精度の高いビルドアップでプレスを剥がしつつ、背後を取る前線の動きにも注視して、決定機につながるパスを出す役割を自らに課している。
ピッチ外でもチームのコミュニケーションを円滑にしている良き兄貴分だ。若手から食事に誘われ、先日もFW小見やDF稲村らに試合前にいつも食べているというウナギをご馳走。「いつでもウェルカム」と笑う。
引き分け以上で残留を決められる次節。「プレッシャーがないわけではないが、変わらずに準備して勝ち点1ではなく3を奪うつもりで、しっかり練習からやりたい」。パス一本、体の向き一つにこだわって向上し続ける。(西巻 賢介)