来春へ不安を募らせた――。ソフトバンク周東佑京内野手(28)が20日、みずほペイペイドームを訪れ、来季開幕へ危機感を語った。今季は左膝の違和感を抱えながらプレーし、3度目の盗塁王に輝いたが、今月9日に手術。全治4カ月程度を要し、来春のキャンプからの合流は不透明。来年3月28日の開幕戦(対ロッテ)はリハビリ次第との慎重な姿勢を示した。
周東は歯切れが悪かった。思わしくない左膝の現状を語った。
「歩けるくらいですかね。(リハビリは)ほとんどしてないし、できてないですね」
今季はキャリアハイの123試合出場でリーグ優勝に貢献。41盗塁で2年連続3度目の盗塁王に加え、中堅手として初のゴールデングラブ賞も獲得した。そんな中で左膝の違和感と闘っていた。9月28日の日本ハム戦で途中交代。以降の出場は大事を取って控え、ポストシーズンの全9試合にスタメン出場したものの、全日程終了後に手術を決断した。
9日に東京都内の病院で左膝蓋(しつがい)じん帯に対する超音波腱剥離術を受けた。メスを入れた左脚は全治4カ月程度の見込みとの診断。単純計算ならば来年3月に競技復帰可能もオフに入り、不安が募った。「リハビリのプランはもらっていますが、それ通りにできるわけではない。(上半身の)ウエートはできますけど、そんな重い物は持てない」と正直に話した。
来春2月1日のキャンプインに向け、リハビリを続けるが現状は「普通に生活をしているだけ」と言う。19日の球団納会ゴルフを欠席。この日には30日の球団主催の野球教室の欠席も発表された。
責任感の強い選手会長。すべては来季のためだ。例年のオフには宮崎県都城市で合同自主トレを続けてきたが「状態を見ながらですよね。自主トレも何もないです。リハビリからなので」と慎重に言葉を選ぶ。キャンプ参加に向けても「いや、分からない。脚次第です。無理したくないというか無理しなくても…」と考えていた。
小久保監督は、周東の中堅手としての守備を「今年に関しては断トツ(の評価)」と絶賛した。来季の指揮官の外野構想は左翼手兼DHが柳田、右翼手は近藤と決めている。中堅手の最有力である周東は「変わらず、そうです」とレギュラーの地位をつかむと誓う。不安はあるが、焦りは禁物だ。「1年間、(試合に)出るだけです」。現状から一歩ずつ前に進む。 (井上 満夫)