「コーチに聞く」オフ恒例の連載「コーチに聞く」。第2回は野村克則バッテリーコーチ(51)が登場する。2軍から1軍へ配置転換となり、梅野、坂本に次ぐ次世代捕手の台頭に一役買う。秋季キャンプで話題を呼んだ中川の外野挑戦の意図も明かした。
――2軍から1軍へ配置転換。役割は。
「いろんなところに目を配ってやってください、と藤川監督からも言われている。こっち側からも“こうしてほしい”というのは藤本コーチを通して(監督に伝える)。バッテリーのところは“頑張って、まとめながらやってください”という話だった」
――昨季、今季と梅野と坂本を併用。いろいろ考えはある中で、一人に絞る方がいい?
「今はもうそういう時代じゃない。僕らの時代で言ったら、古田(敦也)さんがいて、谷繁(元信)さんがいて。(実父の)野村(克也)監督とも言っていたが、強いチームにはいい捕手がいる。今は役割、相性を見る。それは悪いことではないし(併用は)別に“なし”ではない」
――中川も秋季キャンプでは外野に挑戦。
「今年も2軍で捕手を5人抱えて、毎試合出られない。そう考えたら、複数ポジションを守れたら試合に出るチャンスも出てくる。例えば梅野、坂本がいたら、3番手(捕手)でここも守れて、こっちでも行けるよって言ったら有利なこともある。もちろん彼(中川)の打撃を生かすためのことだろうと思う。彼にとっては捕手としての視野も広がる」
――中川の外野はプランとしてあった。
「いや、監督からそういう話が来て“ぜひやらせましょう”と。すぐやった方がいいと思った。打撃を生かして、ということもおっしゃっていた。もったいないからね。それだけの成績をファームで出してるから(試合で)使いたくなるのは当然だし、それは彼の持ち味。そうやって生かされていったらいい」
――梅野、坂本に匹敵する捕手をつくりたい。
「捕手は昔から言われてる通り、時間がかかるポジション。ただ、レギュラーになってしまったら長い。存在感というのが捕手にはあって、“この捕手が出てたら、全体的に締まる”というのがあるから、一度レギュラーを取ったら長い。でも、一本立ちには3年ぐらいかかる。周りを見る力、勝負どころの一球、駆け引きとか、出ながら覚えていくポジションだと思うので」
(続けて)
「例えば優勝して、最終的に評価されるのは捕手だと僕は思っている。だからやりがいがある。ヤクルトの中村(悠平)もそうですけど、最後の最後に周りは凄く中村を評価してくれた。あー、救われたな、と。でも負けたらボロカス言われるのは捕手。栄枝、藤田もいいものを持ってるし、いい競争になる」