「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」に出場中の侍ジャパンは21日、米国とのスーパーラウンド初戦(東京ドーム)に臨む。大会連覇した場合は、23年WBC以来のシャンパンファイトが企画されることが判明。先発は中日の高橋宏斗投手(22)で、WBCでは年齢制限で味わえなかった世界一のシャンパンファイトへ向けてチームを勢いづける。
マイアミの歓喜が脳裏をよぎる。高橋宏は23年WBC決勝で救援登板し、トラウト(エンゼルス)を空振り三振、ゴールドシュミット(カージナルス)を見逃し三振に斬った。それ以来となる米国との対戦に先発で挑む。
「チームが勝てるように、世界一になるための弾みをつけられるようにしたい。世界一になることだけを考える。力を発揮したい」
3番手で登板したWBC決勝は、メジャーを代表する強打者を抑え1回2安打無失点。前回先発した15日の韓国戦は、4回7安打2失点と不完全燃焼だった。雪辱を期す登板で、WBCの好投を再現する。19日にはブルペンで前回登板の反省点をチェックし「疲労を取ることを意識した」と調整に努めた。中5日で挑むスーパーラウンド初戦。チームを勝利に導き、2戦目以降に先発見込みの才木、早川、そして決勝の戸郷へバトンをつなぐ。
大会連覇の場合は、23年WBC以来となるシャンパンファイトが実施される予定で準備が進められている。WBCで当時20歳だった高橋宏は、米国の飲酒が21歳からという法律のため参加できず。ゴーグルまで着けながら、チームメイトが狂喜乱舞している瞬間はアルコールがかからない輪の外で寂しげに水を飲んで見つめていた。
メジャーのスカウトも大挙する国際大会。大リーグ公式サイトでも注目度が高い右腕は「注目されているのはうれしいこと。その分結果を残さないといけない」と意気込んだ。米国打線の映像も分析し準備は万全。チーム最年少の22歳は「もう技術どうこうでない。今年ラストの先発登板になる」と決戦に全力を尽くす。再び世界一へ貢献し、今度こそシャンパンファイトに加わる。(神田 佑)