直木賞作家の今村翔吾氏(40)が20日、都内で会見を行い、新たな文学賞「日本ドラフト文学賞」の創設を発表した。最終選考会では、プロ野球のドラフト会議のように、出版社やメディア企業十数社の担当者が集まり、デビューさせたいと思う応募者を指名。重複した場合は抽選で交渉権を決める制度を導入する。過去の応募、落選作品も応募可能。今村氏は「キーワードは復活と発掘。未成年から100歳までどんな人もOKです」と力強く語った。
長編のエンターテインメント小説が対象で、締め切りは来年4月末。最終選考会は同9月に主催の佐賀新聞社で行われ、選考の様子などはYouTubeで公開される。
同賞は2017年に幕を閉じた「九州さが大衆文学賞」のリバイバル。16年に「九州…」の受賞をきっかけにプロ作家となった今村氏プロデュース、「九州…」の審査員を長年務めた北方謙三氏(77)を名誉顧問に据え、佐賀から全国に向けた文学賞として復活させた。
今村氏は「僕は『九州…』がなければ今、今村翔吾という作家は生まれていない。僕の原点だと思いますし、色んなタイプの人が作家になるために、その間口を広げておくことは大事。全ての人に挑戦してほしい」とアピールした。