ソフトバンクの城島健司会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーター(48)が21日、来年1月に新設する「チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)」への就任会見を福岡市内のホテルで行った。会長付特別アドバイザーを兼任し、会見に同席した小久保裕紀監督(53)を支える。王貞治会長(84)に薫陶を受けた両者でイズムの継承と常勝軍団の構築を目指すが、城島氏は指揮官との意見の衝突も辞さないとチーム強化にかける強い思いを語った。
かつて「KJ砲」と呼ばれた2人が並んだ就任会見。新ポストのCBO(最高野球責任者)として小久保監督を支えることになった城島氏は強い覚悟を示した。ホークスの未来のためならば、5歳上の指揮官との意見の衝突もいとわない。
「もしかしたら仕事上で言い争って、来年の僕らは一番仲悪くなってる可能性もありますよね。でも、それくらい膝をつき合わせて話していかないとチームの未来はよくならない」
今季から「会長付特別アドバイザー」とコーディネーター職を統括する「シニアコーディネーター」を兼任して就任1年目の小久保監督を支えた。シーズン中に関係がさらに密接かつ強固になるCBOの打診を球団から受けた。小久保監督と話し合い「じゃあ。やろう」と意見が一致。今後はフルタイムで球団運営などに携わる決意を固めた。キャンプや公式戦のチェックをはじめ、筑後ファーム施設で若手選手の成長にも目を光らせ、1~4軍の巨大組織をまとめていく。「球団をつくる上で必要な分野には顔を出す」。トレード、外国人補強などの編成業務も中心となって担い、スカウティングの強化にも取り組んでいく。
小久保監督は「城島健司がやっと地に足をつけて、野球だけに向き合う時間が来たなと心強く思ってます」と歓迎した。さらにチームの強化のためなら“ケンカ”も辞さないという城島氏の主張についても「立場が違って意見が同じなわけがないので、それをどう調整し、何のためにするかなので。友達は正直、仕事場ではいりません」と同調した。
両者には「王貞治イズム」を継承するという共通認識が土台にある。「僕の野球人のベースは王さん。僕の全てで小久保監督はリーダー。現場とフロントで2人で強くしていくのは会長も凄く喜んでいると思うし、僕としては10、20年後のフロントマンに伝えていくことが仕事」と城島氏。小久保監督との強力タッグで強く、太いホークスをつくり上げる。(井上 満夫)
≪王会長に報告「喜んでいた」≫ H…城島氏のCBO就任を一番喜んでいるのは王会長だ。城島氏は会長に報告した時の様子を「喜んでいました。“小久保と一緒に頼む”との話でした」と明かした。会長付特別アドバイザーの任も長くなり「ユニホームを着ろと言われなくなった」と変化もあったという。さらに王会長から「釣りはどうするんだ?」と聞かれて「フルタイムで(野球)やります」と返すと「そうかー」と安心した様子だったと話した。
≪釣り番組は卒業≫ H…城島氏は会見で釣り番組の卒業も明言した。RKB毎日放送「城島健司のJ的な釣りテレビ」に出演中。会見で質問が及ぶと「RKBで朝6時15分から絶賛放送中のあの12年続いている番組ですか?」と言って笑わせると「非常に残念ではありますが、今年いっぱいで卒業という形になります」と話した。今後は趣味として続けていくようだ。