ロッテからポスティングシステムで大リーグ挑戦を容認された佐々木朗希投手(23)の代理人を務める大手代理人事務所「ワッサーマン」のジョエル・ウルフ氏が、ドジャースとの密約説に怒りの反論を行ったと、スポーツ専門メディア「ジ・アスレチックス」が21日(日本時間22日)に報じた。
同サイトの取材に応じたウルフ氏は「私のことをよく知っていて、私と多くのビジネスをしているはずの幹部たちが、私が何らかの悪質な契約の一部であるとほのめかして私の誠実さを侮辱している。これはスポーツマンシップに欠ける行為だ」などと怒りを示しているという。
球界の中ではドジャースへの移籍が最有力で既に佐々木の合意を得ているなどの不確かな情報が飛び交っており、これにくぎを刺した形だ。
この日MVPを受賞したドジャース・大谷翔平も佐々木朗希について言及。「特に勧誘するということはないですね」と前置きした上で「去年も(侍ジャパンの)チームメートとして1年間やってきた。(山本)由伸もそうでしたけど、シーズン中も特に関係なくプレーした選手とは連絡を取ったりしているので、友達の一人として自然に話していた感じですかね」と説明。佐々木の移籍先については「彼の意見は尊重していますし、どこのチームを選んでも彼なら素晴らしい成績を残せると思います」と活躍に太鼓判を押していた。
20日には大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーがオーナー会議が行われている米ニューヨークで取材に応じ、「各球団のGMの中にはドジャースと佐々木選手の間に暗黙の合意があるのではないかとの懸念がある。彼らの国際ボーナスプールの額がゆえにそう見えてしまう」との質問を受けた。これについて、マンフレッドコミッショナーは「私のメディアトレーニングでは疑惑に関わる質問には決して答えないようにと言われているので、答えを避けられるのだが、1つだけ明確にしておきたい。新しいボーナスプールの期間に契約のタイミングが来そうに見える。これはかなり重要なことになるのだろう。しかし、何が起こるか見守るつもり。私たちの規則の1つに違反したと信じる理由があれば、徹底的に調査し、真相を突き止めようとするので安心してほしい」と話した。
また、マンフレッドコミッショナーは佐々木の契約が25年1月15日以降になるとの見通しを示した。マイナー契約しか結べない「25歳ルール」の契約期間は毎年1月15日~12月15日。ロッテがポスティング申請期限となる12月15日直前の手続き完了を目指しており、25年の契約期間が始まる1月15日以降の決着が見込まれる。大リーグ公式サイトはこの日、インターナショナル・ボーナスプールと呼ばれる、佐々木も対象となる各球団の25年の契約金上限を公表。24年分はドジャースが最多で約250万ドル(約3億8800万円)、25年の最多はマリナーズなど8球団の755万5500ドル(約11億7100万円)となる。佐々木の契約に全額充てられた場合、ロッテへの25%の譲渡金は最大で24年が約9700万円だが、25年は約2億9300万円となる。