大リーグ機構(MLB)は21日(日本時間22日)、今季のMVPを発表し、ナ・リーグは大リーグ史上初の「50―50(54本塁打、59盗塁)」を達成したドジャースの大谷翔平投手(30)が2年連続3度目の満票選出となった。
指名打者専任の選手としては史上初、両リーグでの選出は1961年にレッズ、1966年にオリオールズで獲得した通算586本塁打のフランク・ロビンソン以来史上2人目の快挙となり、再び大リーグの歴史に名を刻んだ。3度目のMVP受賞は大リーグ史上12人目となった。
昨年のMVP発表の際にはソファに座り、愛犬デコピンを初公開して大きな話題を呼んだ。今年は2月に結婚を発表した真美子夫人、デコピンとともにMVP受賞の知らせを受け、満面の笑みを見せた。取材に応じた大谷は「ドジャースの一員の一人として代表してもらったと思っている。それくらいみんなでつかみ取った。シーズンもそうですし、ポストシーズン、WSもみんなでつかみ取ったものだと思っています」と喜びを語った。
大谷はドジャース移籍1年目の今季、54本塁打、130打点でそれぞれタイトルを獲得。出塁率(.390)、長打率(.646)、OPS(1.036)、得点(134)、塁打数(411)、長打数(99)、1本塁打に擁する打数の本塁打率(11.78)など9部門でリーグトップに立ち、「11冠」だった。打率.310、197安打、59盗塁、81四球、10故意四球もリーグ2位と圧倒的活躍を見せた。
MVPの最終候補に残ったのは、大谷以外にはメッツ・リンドアとダイヤモンドバックス・マルテの2人。守備面での貢献度を指摘する関係者もみられたが、WAR(セイバーメトリクスを用いて打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標)は9.2でリーグトップ。守備での貢献がある2位のジャイアンツ・チャプマンは7.1、リンドアは7.0、マルテは6.8とライバルを寄せつけない圧倒的な数字を残した。
大リーグ公式サイトは大谷のMVP獲得をトップページで特集。記事では「大谷は非現実的な数字を残したにもかかわらず、フルタイムの指名打者がMVP賞を受賞するべきかという疑問があった」と夏場までは守備に就かない大谷が大リーグ史上初のDH専任選手のMVP獲得に疑問の声があがっていたことを伝えた。それでも「レギュラーシーズンの最終月には、ドジャースがもう一度ナ・リーグ西地区のタイトルを追いかける中で、大谷は最後の力を発揮した」と9月の成績が分岐点だったと結論づけた。
大リーグ公式サイトは「レギュラーシーズン最後の26試合で、大谷は10本のホームランを放ち、32打点を挙げ、1.225のOPSを記録した。これは2024年のどの月よりも彼の最高の成績だ。これらの数字がドジャースをパドレスに対して地区優勝に導き、大谷の3度目のMVP賞への明確な有力候補としての地位を確固たるものにした」と分析した。
最後には「ほぼすべての面で、大谷のドジャースでの初シーズンはほぼ完璧なものだった。大谷はこれからもさらに多くの歴史を作り続けることを願っている」と今後の活躍に期待して特集を締めくくった。