東京都の小池百合子知事(72)が22日、都庁で定例会見を開き、年収103万円の壁の引き上げをめぐる協議を受けて見解を示した。
自民、公明、国民民主3党の政調会長は20日、国会内で会談し、週内に閣議決定する経済対策に、年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」引き上げを明記することで合意した。国民は178万円までの引き上げを求めているが、上げ幅や財源は、年末の税制改正で協議する。
小池知事は「都政のくらし方会議で、結局のところ、あまり壁ばかり言っていると、そのまま仕事を続けた方が、生涯で見ると、(仕事を)続けた方がいいよという提案も、あの中に入っていた」と、都が独自に開催している東京くらし方会議での提案に言及。「いずれにしても、今回は手取りを増やすということで、自民、公明、国民民主の3党合意がなされた。これからもさらに詰めて議論されていくと承知している。議論を注視しながら、その効果や影響については見極めたい」と述べた。
壁の引き上げによる地方税の減収を懸念する声が、東京都新宿区の吉住健一区長や葛飾区の青木克徳区長らから上がっている。これについては「今、議論がまさに行われているところなので、経済対策のまとめをしたけど、その後の流れは注視していきたい」と話すにとどめた。