現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が22日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。ドジャースの山本由伸投手(26)、パドレスの松井裕樹投手(28)、レッドソックス傘下3AウースターからFAとなった上沢直之投手(30)、メッツの千賀滉大投手(31)、アストロズからFAとなった菊池雄星投手(33)、タイガースの前田健太投手(36)について語った。
メジャー1年目で右肩腱板損傷での離脱がありながら7勝2敗、防御率3.00の成績を残し、チームのワールドシリーズ制覇にも貢献した山本について「シーズン中のケガが尾を引いていると思う」と指摘。「日本で3年連続勝利数、防御率、沢村賞を獲った力からすると、シーズン通して投げて初めて結果が問われるんであってね。ケガの影響は来年に引きづらなければいいと思う。もうちょっと勝ち星。14、15くらいの勝ち星は最低でも挙げてもらわないといけないような選手だろうと思います」と能力の高さを認めるからこそさらなる高みを求めた。
山本と同じくメジャー1年目で中継ぎとして64試合に登板し、4勝2敗9ホールド、防御率3.73の成績を残した松井については「彼はよくやったと思いますよ」と評価。「日本では抑えをやっていて、パドレスでどういう使い方をするのかなって感じで見ていたんだけども、結構勝ちゲーム、負けゲームの中継ぎでそれなりにゲーム数も投げていたし、合格点だと思います」と年間通してフル回転したことを称えた。
昨オフに日本ハムからポスティングシステムを利用してレイズとマイナー契約し、移籍したレッドソックスでメジャー昇格を果たして2試合に登板した上沢については「40人枠の中に1回入ったのかな。2試合投げて、枠の関係でマイナー契約にまたなったっていうことなんだけど。それでもメジャーの試合で2試合投げたっていうのは彼の中には大きな出来事だったんだろうと思います」と振り返った。その上で「あくまでも競争の中の競争で勝ち残れなかった部分はあるので、来年はどうするのか分からないけど、頑張ってもらいたい」と話した。
今季は開幕前に右肩を痛めて出遅れ、初登板となった7月26日のブレーブス戦で左ふくらはぎを痛めて途中降板。ポストシーズンで復帰するも不完全燃焼に終わったメジャー2年目の千賀については「ケガの具合がね。2回でしょ。ケガをしない体をつくり上げなきゃいけないんだろうと思う」と故障の多さを指摘した。メジャー1年目の昨季は12勝を挙げていただけに「主戦投手として迎えたシーズンで、出足からケガでほとんどシーズンを棒に振った。ケガが治って来年どういうピッチングをするかっていうのに期待したい」と完全体での復活を期待した。
ブルージェイズからシーズン途中にトレード移籍し、2チーム合計で32試合に登板し9勝10敗、防御率4.05だった菊池については「ブルージェイズからアストロズに変わったっていうのは彼にとって転換期だったんだろうと思います」と推察した。「ブルージェイズも弱いチームではないんだけども、アストロズの方が地区優勝争っているだけにね。彼は日本にいる時よりもスピードが上がった」と分析。「スピードが上がってどうなのかなと思ったけど、あのスピードボールがあるからメジャーで通用している。それでも9勝かな。彼の力からいえば最低でも12、13は勝てるだけの力はあると思うんでね。来年はそれに向かって頑張ってもらえれば」とエールを送った。
今季途中で中継ぎに配置転換され、29試合(うち17試合が先発)で3勝7敗、防御率6.09と精彩を欠いた前田については「中継ぎではいいピッチングをするんだけど、先発としたらボールに力がなくなってきた」と分析。「力がなくなってきた分だけ、投げ間違えが多くなってきたときに打たれるケースが出てきた。それをどうするか。これ以上のスピードボールを投げられるだけのものが出てくるかっていうことですよ」とした。球の力がなくなった要因としては「年齢的なもの」を挙げ「真っすぐのスピードが落ちた。真っすぐのスピードが落ちてくると、変化球がいくら良くても一緒に落ちてきちゃうというのがある」と解説した。