スノーボード男子で23年世界選手権ビッグエア(BA)王者の長谷川帝勝(たいが、19=STANCER)が22日、富山県立山町のジャンプ練習施設で公開練習を実施した。W杯では10月のBA今季開幕戦で優勝。上々の滑り出しを見せており、中国・北京での第2戦(11月30日、12月1日)に向けて「北京前にいい調整ができた」と笑顔で振り返った。
「練習量は誰にも負けたくない」と語るように、この日の公開練習では約1時間かけて入念にウオーミングアップを実施すると、小雨が降り続く中でキッカー(ジャンプ台)で試技を繰り返した。台の規模が小さいため、この日の回転数は4回転半までに抑えたが、コンディションの良さを披露した。
昨年9月には左右両スタンスからの左右両回転(全4方向)での5回転半技に世界で初めて成功した長谷川。男子ビッグエアの技の難度は年々高まっているが、「選手によっては6回転もできるが、クオリティや完成度を上げれば5回転半でも勝てる」とキッパリ。回転数勝負には付き合わず、あくまでグラブや回転軸の角度などのスタイル勝負を貫く意思を示した。
次シーズンにはミラノ・コルティナダンペッツォ五輪が迫るが、「特別じゃない。ビッグタイトルの1つ。優先順位は(高く)ないが、キャリアを考えれば五輪でメダルを獲ることで名前も売れる」と独自のスタンスを語る。男子BAでメダルを獲得すれば日本勢初の快挙となるが、「大会で負けても記憶に残る、一目見ただけでカッコいいと思ってもらえるようになりたい。オーラを出したい(笑い)」と話し、記録よりも記憶に残るスノーボーダーになる意思を示した。