元宝塚歌劇団雪組トップスターで女優の杜けあきが22日、大阪市内で朗読劇「忠臣蔵」(来年3月21~23日=東京・よみうり大手町ホール、同28~30日=兵庫県立芸術文化センター)の取材会を行った。
同作は杜のサヨナラ公演で朗読劇とはいえ、32年ぶりの“再演”。「歌劇団でも、どなたかがやって下さればいいな、と思っていたほどいい作品。それがまた私に巡ってきて、本当にご縁があったんだな、と。自分自身が一番感動して、びっくりしています」と声を弾ませた。
2019年に亡くなった故・柴田侑宏氏のオリジナル脚本で「“柴田先生、いよいよやりますよ、それも私が”と心の中で報告しました」としみじみ話した。当時、柴田氏はほぼ毎日、観劇し「“今日はダメ”“今日は良かった”“泣きすぎ”ってダメ出しされたことをすごく覚えています。充実感があって毎日、感謝しかなかった」と振り返った。
退団公演であり、旧宝塚大劇場最後の作品だったこともあり、杜が最後に言い放った「もはやこれで思い残すことはござらん!」は、今も語り継がれる名ゼリフ。今回も「あのセリフが、ないわけにはいかないでしょうね」と明かし「心はすぐにでも大石内蔵助になれるぐらい、細胞に役が刻み込まれているんです。32年たって、いろんな経験をした私たちがどう進化し、どう退化したのか…。早くお稽古してみたい」と胸を躍らせた。
相手役だった元トップ娘役の紫とも、同公演の新人公演で主演した香寿たつきらも出演する。