◇大相撲九州場所13日目(2024年11月22日 福岡国際センター)
優勝争いをリードしている2大関の好調の要因はブレない下半身にある。琴桜は隆の勝に右を差されて一気に前に出られた。だが、すぐに右をねじ込み、相手の体を左右に揺さぶりながら最後は左からすくうように投げた。
隆の勝の体は大きくないように見えて実際は171キロもある。その巨体を左右に振っても琴桜の体勢は崩れなかった。それだけ下半身がどっしりと安定していた証だろう。
豊昇龍も今場所は下半身に粘りがある。大の里戦は土俵際まで押し込まれたものの、相手の右をたぐってとったりで逆転勝ちした。大関らしい反射神経の良さだった。ただ、その動きができたのも立ち合いから突き放して大の里を後退させていたからだ。その分、土俵際で残す余裕があった。まだ14日目が残っているが、このまま2人の千秋楽の1敗対決を見てみたいところだ。(元大関・栃東)