アイルランド・ダブリンの高等裁判所は22日、総合格闘技UFCの元2階級制覇王者コナー・マクレガー(36=アイルランド)が18年12月にダブリンのホテルで女性を性的暴行した責任があると認定し、24万8000ユーロ(約4000万円)の賠償金支払いを命じる判決を下した。
訴えによると、マクレガーはクリスマスパーティーで出会った美容師の女性をホテルでベッドに押し倒し、チョークスリーパーで首を絞めて性的暴行におよんだという。マクレガーは行為を嫌がる女性の首を絞めながら「(UFCの試合場)オクタゴンで俺が3回タップアウトした時、どんな気持ちだったか分かっただろう」と話したという。命の危険を感じた女性は抵抗を諦め、翌朝に女性を治療した救急隊員はこれほどひどい打撲傷は見たことがないと法廷で証言した。
検察は証拠不十分として起訴を断念したが、女性側は21年に民事訴訟を起こしていた。マクレガーは性的行為は激しかったものの、「彼女は一度もノーと言っていない」と告発者とは合意があったと容疑を否認。“チョークホールド”疑惑については「最もひどいうそだ。プライドの高い自分が、汚点を強調するなんてありえない」と反論した。判決後、マクレガーはノーコメントを貫いたが、自身のX(旧ツイッター)で控訴する意向を示した。
UFCのフェザー級とライト級を制し、17年にはプロボクシングで元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)とも対戦したマクレガーは、21年7月にダスティン・ポイエー(米国)にTKO負けして以来、リングから遠ざかっている。今年6月の「UFC303」でマイケル・チャンドラー(米国)との復帰戦が予定されていたが、ケガのため延期が発表されていた。