ア・リーグの今季MVPを受賞したヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(32)が22日(日本時間23日)、電話での受賞会見を行った。
リーグ記録を塗り替える62本塁打を放った22年以来、2年ぶり2度目のMVP受賞。今季は58本塁打、144打点のリーグ2冠で、打率・322はリーグ3位という圧倒的成績を残した。打点は2年前の131を大きく上回る自己最多だった。
ヤンキースの選手で満票でMVPを受賞したのは1956年のミッキー・マントル以来68年ぶりの快挙となっている。この日の電話会見ではその栄誉に関してとともに、ヤンキースからFAになったファン・ソト外野手に関しても多くの質問が飛んだ。ジャッジの電話会見での一問一答は以下の通り
――2024年を振り返って印象的なことは
「チームがとても親しかったことだ。バーデューゴ、ストローマンといった何人かの選手たちが加入し、大トレードでファン・ソトも獲得した。他にも何人かが加わった。そういう状況では未知数の部分があるものだが、今季を通じてチーム全体がしっかりと結びついていた。毎日、一緒に戦いにいくのが楽しかった。誰がプレーしても気にせず、みんなが支え合い、応援し合っていたからこそこれだけの成功を手にできたのだろう。いかに一丸となれるチームだったかということが印象に残っている」
――2022年、2024年、2度のMVPでどちらがよかったか
「難しいが、(MVP発表の)インタビューでも話した通り、私は毎年向上を望み、うまくいったこと、そうではなかったことを振り返ろうとする。チームのためにもっと何ができたかを考える。2022年はもっと打点があげられた。打点を稼げば、チームはより多くのゲームに勝てる。2024年はそこに集中していた。2024シーズンに向けて、特に出塁率が高いソトが自分の前で打席に立つわけだから、その出塁率を最大限に活かし、打点を稼ぎたいと考えていた。それができれば、ポストシーズンに向けて良い位置につけることができる。(それができたから)24年シーズンの方が少し良かったと思う。また学べる1年になった」
――ワールドシリーズ後、FAになったソトとは話しているのか
「まだまったく話していない。自分の空間を与えてあげることが最善だと思うから。昨季を通じてずっと話をしてきたから、彼は私たちが彼のことをどう感じているかはわかっている。彼は家族と時間を過ごし、祈り、人々と話し、自身と家族について最善の選択をすることが最も大事だ。だから彼とはまったく話していない。(MVPの)発表の会見で(MLBネットワーク上で)会うかなと思っていたけど、彼は出演しなかった。いずれ会うことになるよ」
――今季、ソトの存在は助けになったか
「ドジャースの打線は最初の3人がMVPだ。(相手投手は)3連続で厳しい打席をこなすことになる。ファンが目の前で打つチャンスがあれば、多くの球を見ることができる。彼は私の目の前で厳しい打席を課してくれるし、1回から投手を疲れさせるだろう。彼のような選手が目の前にいるのは大きなインパクトを生み出していたと思う。もしもファン・ソトが8人、打線にいたら最高だよ(笑)」
――ソトが自身より多くの高給を受け取っても気にしないか
「正直、私のお金ではないから。私たちが最高の選手を手に入れること以外、気にしていない。誰が最高給かなんてことは考えてもいない。それで最高の選手たちと契約できるなら、それで構わない。クラブハウスの中でジャンカルロ・スタントンがいい例になっている。マイアミで巨大な契約を手にしたけど、ここに来た後、(スタントンは)最高給かどうかなんて気にしなかった。ただいい選手に囲まれたかっただけだった。このチームではみんなが同じように感じているだろう」
――ハル・スタインブレナー・オーナーとの関係は
「2022年に私がFAになったとき、彼が最初に言ったのが“私はあなたといい関係を築き、(チーム作りの)一部になって欲しい。契約が続く限り、あなたはここにいる。キャリアを通じてヤンキースの一員なんだから”ということだった。私に考えていることや感じていることがあるとき、彼はクラブハウスやフィールドに毎日いるわけではないから、彼はオープンでいてくれる。私が見ていること、感じていること、(ヤンキースの)選手のこと、対戦相手のことなどを話し合える関係であり、私もそれを気に入っている。チーム全体でコミュニケーションが取れる構造の中にいられるのはクールなことだし、それによって全体が向上できる」