ロッテからポスティングシステムを利用して今オフのメジャー移籍を目指す佐々木朗希投手(23)をめぐり、「25歳ルール」が適用される対象選手の契約が停滞していると、MLBの公式メディア「MLBインサイダー」のマイク・ロドリゲス氏が22日(日本時間23日)に自身のXで報じた。
「25歳ルール」は、MLBドラフトの対象となる米国、カナダ、メキシコ以外のアマチュア選手獲得に関するルールで、国際選手はマイナー契約しか結ぶことができない。契約期間は例年1月15日から12月15日まで。各球団は割り当てられたボーナスプールの中で、複数の選手と契約を結ぶ。
ロドリゲス氏は「佐々木朗希の獲得のチャンスを確保するために、MLBチームは2025年から海外選手との事前合意を破棄し、少なくとも経済的な面で可能な限りの予算を確保して佐々木獲得に対抗できるようにすることを真剣に検討している。佐々木は、各チームが持っている国際マネーでのみ契約できる選手だ。今年1月15日時点で支払われると推定される最高額は600万から700万ドル程度だが、それを保有しているチームはわずかしかない。しかし、次のようなことが起きている。日本人選手の獲得を競い合いたいチームは、600万や700万ドルという金額を持っていないのだ」とつづった。
大リーグ公式サイトは大リーグ全30球団の来年のプール金額を公開している。最大のプール金額(755万5500ドル=約11億7110万円)はマリナーズやレイズ、レッズ、タイガース、マーリンズ、ブルワーズ、ツインズ、アスレチックスの8球団が持っている。2番目の690万8600ドル(約10億7083万円)はダイヤモンドバックス、オリオールズ、ガーディアンズ、ロッキーズ、ロイヤルズ、パイレーツの6球団。3番目の626万1600ドル(約9億7054万円)はブレーブス、レッドソックス、カブス、ホワイトソックス、エンゼルス、メッツ、ヤンキース、フィリーズ、パドレス、レンジャーズ、ブルージェイズ、ナショナルズの12球団。4番目の564万6200ドル(約8億7516万円)はアストロズとカージナルスの2球団。最少はドジャースとジャイアンツの514万6200ドル(約7億9766万円)の2球団としている。
国際ボーナスプールは選手のトレード時に付与して取引でき、年間で基本額の最大60%まで追加取得できることもできる。ロドリゲス氏はこのルールにも触れ「1月15日には若手選手数名が不安定な状況に置かれる可能性がある。彼を獲得しようとしていないチームも、この日本人選手と本当に契約したいチームに金銭を渡すことで有望な選手を獲得できることに気づき、契約を保留している」とつづった。
「25歳ルール」の対象となる中南米の選手などが正式契約を結べるのは16歳から。しかし、16歳以前に有望選手と口約束で入団に合意するのは慣例だったが、佐々木獲得のために国際ボーナスプールの予算を増やしたい各球団が、これらの選手との口約束を破棄する可能性を指摘。佐々木の動向が決まらないことで、他の有望選手の契約も停滞しているとした。