俳優の吉高由里子(36)主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)は24日、第45話「はばたき」が放送され、藤原道長(柄本佑)が詠んだ「望月の歌」の解釈が公卿たちの間で話題となった。道長と10代から友情を育んだ「F4」の1人で歌人として名高い藤原公任を演じている町田啓太(34)がスポニチのインタビューに応じ、「望月の歌」の解釈について語った。
<※以下、ネタバレ有>
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。
第44話「望月の歌」で道長は孫の敦成親王を帝に即位させる。さらに、威子を中宮にすることで、3つの后の地位を自らの娘で独占した。威子が中宮になったことを祝う宴で和歌を詠んだ。「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば」。
一般的には権力をほしいままにした道長のおごりの歌と解釈されるが、今作は違う。「この世」を「この夜」、「望月」を「三后」、月と杯の「つき」をかけた「今日はいい夜だな。三人の后は望月のように欠けていない」という意味で解釈された。
親友の公任は「今宵はまことによい夜であるな~くらいの軽い気持ちではないのか?道長はおごった歌を皆の前で披露するような人となりではない」と口にした。
これについて町田は「(道長の)昔の面影が見えた感じがしました。ぼーっとしている感じ。芯を食った歌を詠んでいるわけではなくて、ふと出てきたものを詠んでいるんだろうなと。その姿を見て安堵(あんど)したと思います。後ろ姿に三郎が見えました。それを分かっている自分だから、ここからは近くにいたいとより思ったんじゃないかな」と、公任の気持ちを語った。
公任、斉信(金田哲)、行成(渡辺大知)は出家して剃髪した道長の元を訪れる。4人は10代から変わらぬ空気感で笑い合った。町田は出家後の道長について「見た目からしてさっぱりした。雰囲気が全然違う。背負っていたものを少し下して楽になっている感じがした」とコメント。「風貌や生き方は変わったけど、集まると同窓会みたいにあの頃に戻る。みんなで“不思議だね”と話していました。最初に関係を構築できたからだと思いますし、心強かったし、心地よかったです。4人でのシーンをすごく楽しみにしていました」と、「F4」の友情を語った。