◇天皇杯決勝 神戸1-0G大阪(2024年11月23日 国立競技場)
神戸がG大阪に1―0で競り勝ち、19年度以来5大会ぶり2度目の頂点に立った。準決勝まで4試合連続ゴールを決めていたFW佐々木大樹(25)は先発を外れたものの、後半14分から出場すると、5分後にGK前川黛也(30)からのロングボールに前線で体を張った。こぼれ球を味方がつないでFW宮代大聖(24)の決勝点につながった。
今大会6試合目で初めて先発を外れ、連続試合ゴールも止まったものの、決勝点に絡んだ佐々木は「チームとしてやりたいことの1つ。うまくいった」と満足げ。吉田孝行監督(47)からは「試合を決めてこい」と送り出されたという。無得点でも役割を果たした。
ゴールを量産して決勝進出を支えたストライカーだけに指揮官も起用法を迷ったと言うが「勝つために試合の流れを変えられる選手を常に(手元に)置いておきたいという思いもある。今日は佐々木がスタンバイから流れを変える役割になった」とベンチスタートを決断。それでも佐々木は不満げな態度を見せることなく「チームのために途中からでも絶対活躍する」と応じたといい、宣言通りのプレーに吉田監督は「たくましくなっているし、チームのことも考えられるようになっているのは人としての成長。今日の勝利は大樹なしでは無理だった。役割に徹してくれた」と称えた。
チームは昨年のJ1初制覇に続いて2年連続でタイトルを獲得した。佐々木は「アカデミーから育ててもらっている。昔、僕が見ていたヴィッセルとは違うので感慨深い。(当時は)上位に食い込むことも難しかった時期なので」と指摘。「去年、タイトルを取って、今年も取れるのはクラブとしては凄い前進」と手応えを口にした。