◇天皇杯決勝 神戸1-0G大阪(2024年11月23日 国立競技場)
ピッチ脇で行われた優勝インタビュー。神戸の吉田孝行監督(47)は「最高です!」と2度絶叫した。現役時代に続く天皇杯制覇。Jリーグ開幕以降、選手と監督でのダブル優勝は石井正忠、鬼木達に次ぐ3人目の快挙で「結果が一番大事と思っていた」と喜びをかみしめた。
J1初制覇を果たした昨季から凄みを増した。今大会6試合の起用総数はトップ登録30人で27人。鹿島との準々決勝は直前のJ1新潟戦から先発11人を入れ替えながら3―0で制した。ACLEも含め今季は過密日程。その中でボランチが主戦場のMF鍬先をサイドバック(SB)に、右SBのDF広瀬を左FWに抜てきするなど選手の新たな可能性を引き出した。「誰が出ても勝てる力がついている」とうなずく。
横浜フリューゲルスに在籍した98年度決勝では自ら優勝を決めるゴールを挙げた。クラブが消滅する前の最後の試合だった。「あの時は負けたら終わりの重圧があった。監督は毎試合が重圧。満足するのではなく、もっと追求していけたら」。苦さもともなうタイトルだった現役時代とは違う味。指導者として、さらなる高みを目指していく。