アルピニスト・野口健氏(51)が24日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。山梨県が富士登山道の通行料を、現行の2000円から5000円を上限に引き上げる方針を示していることに言及した。
県は今夏から通行料2000円を義務付けていた。通行料とは別に、任意で募ってきた1000円の協力金は廃止する。今夏は通行料を設けなかった静岡県でも、協力金を廃止し、来夏から「入山管理料」として3000~5000円を徴収する方向で検討している。
山梨県は今夏、吉田ルート5合目の登山道入り口でゲートの運用を開始。登山者の上限を1日4千人とし、山小屋の宿泊予約者以外は午後4時から翌午前3時まで通れなくした。
野口氏は「富士山の入山料金の目的を『入山者を減らすため』と明確にすべき。登山者を削減するのならば入山料金は万単位にした方がいい。日本人1万円、外国人3万円、辺りがどうか。それが嫌なら来なくていいと。それでも海外の山々と比較すれば安い。富士山を安売りする必要ない」と自身の見解をつづった。
続く投稿では「長年に渡り富士山の登山鉄道構想は富士急行さんが中心になって練られ、また、地元の観光団体が集まる会でも実現について話し合われてきました。何のための登山鉄道かといえば1番に挙げられていたテーマは登山者数のコントロールが鉄道によって可能になることだと。僕もその会によく参加していましたので、何度も耳にしていました」と説明。
そのうえで「入山料金もそれと同じ意味合いを持ちます。入山料金を上げることにより、ある程度、篩(ふるい)にかける事に繋がるのではないかと。富士山に登る事にある一定のハードルを設けた方がいいと僕は思います」と指摘。
「日本の他の山々で入山料金云々についてその必要性を感じてきませんでしたが、富士山は異常事態。信仰の山が利権の山になり…。もはや単なる観光地に成り果てつつあり。富士山にリスペクトしない登山者をどのようにして排除するのか」とし、「一筋縄には行きませんが、しかさは、あらゆる手段を更新しなければ極めて近い将来、手遅れになるのではないかと危機感を覚えます」と自身の思いを記した。
最後に「山梨県の長崎幸太郎知事はその辺りのことを深く理解された上でアクションを起こされていると僕は思います。ただ、富士山利権の渦に手を入れる行為であり、これまでの山梨県知事は触れる事が出来なかった。富士山改革を知事1人に押し付けてはならないと」とつづった。