◇全日本大学アメフト選手権 準々決勝 東北大3―56立命大(2024年11月24日 ユアテックスタジアム仙台)
スタンドを見上げる東北大WR尾崎鉄平(4年)の瞳には、光るものがあった。「応援してくれた人の顔とか見てたら、泣いちゃった感じです」。4年間のラストゲーム。「やり切りました」という顔に、一点も曇りもない。
2年生からレギュラーを務めるエースレシーバーにとって、全国トップと戦うステージは現在地を知る大事な場所だった。「1年間、やってきたことがどうだったか、答え合わせをしてるんです」。一昨年は早大、昨年は法大と準決勝で顔を合わせ、トーナメントが改編された今年は、関西1位の立命大と初対戦。リターン、パスキャッチで、背番号11は確実にインパクトを与えた。「やっぱりLBの速さとか執念はすごかったけど、個人的には通用したかな、と」
埼玉の名門・浦和高では野球部に所属。新入生歓迎イベントで猛烈な勧誘にあう「東北大あるある」で、未経験のアメフト部の門を叩いた。今は、その決断を心から満足している。
「アメフトやって、WRをやって本当に良かった」
卒業後も、クラブチームでプレーを続ける。関西リーグ優勝チームとフィールドで渡り合った手応えとともに――。