卓球のWTTファイナルズの最終日が24日、福岡県北九州市立総合体育館で行われ、男子シングルス決勝で世界ランク7位の張本智和(21=智和企画)は世界1位の王楚欽(中国)と激突。0-4のストレートで敗れ、前身のワールドツアー・ファイナルを制した18年以来となる6年ぶりの国際大会タイトルを逃した。
「文字通り、完敗ですね。本当にいいところが1つもなく、相手の強いプレーばかりが目立っていたので、なすすべがなかった」
第1ゲームはまさかの10連続失点。スタートダッシュを許して、2-11で落とした。第2ゲームは得意のバックハンドで反撃したが、8-11。第3ゲームは7-11、第4ゲームは5-11と世界1位に1ゲームも奪えず完敗となった。
1ゲームも奪えず、圧倒され「一番は僕のチキータを狙い打たれたのが全てかなと」と分析。「僕の一番の武器を100パーセント以上のボールで返されて、コース、質ともに手の届かないところに打たれてしまったので、それ以外の良い作戦が今の僕にはなかったかなと思います」と相手を称えるしかなかった。
それでも今大会は中国選手を2人撃破し、準優勝。初戦で世界5位の梁靖崑(中国)に3―1、準々決勝では韓国のエースで同15位の張禹珍をストレート3―0で下した。準決勝では同2位で次世代のエース・林詩棟(中国)をフルゲームの死闘を制していた。
「勝ったところは自信に変えて、今日負けたところは反省して、それを繰り返すだけだと思うので。良かった点と悪かった点を反省して、また来年に向けて頑張りたい」
パリ五輪では個人、団体ともにメダルを逃した張本。1年を振り返り、「オリンピックはメダルを獲れなかったので、いい1年ではなかったですけど、卓球選手として大きく成長できた1年でもあったかなと。どんな大会であれ、どれだけ体が疲れていても、どれだけ気持ちが疲れていても、卓球に1年間全力で取り組めたと思うので、そういった点では凄く成長できた1年かなと思います」と総括した。
来年5月には世界卓球が開催される。「勝ててない選手がたくさんいるので、特別な対策も必要ですし、全体的にレベルアップしていきたいなと思います」と前を向いた。