落語家・桂文珍(75)は24日、大阪・中之島の「フェスティバルホール」で「芸歴55周年記念 桂文珍独演会~ザ・ヒットパレード~」を開催。「いつの間にか55年。あと何年やれるか分かりませんが、できるだけ長い間、落語をやって、笑ってもらって皆さんと楽しい時間を共有できれば」と語った。
「いつかはフェスティバルホールで(独演)会ができたらと思ってたのがきょう実現しました」と文珍も目を細めた。この日演じたのは自身の大ヒット作「デジタル難民」「老婆の休日」「地獄八景亡者戯」の3席を披露。時事ネタを散りばめる“文珍節”にチケット完売で集まった2600人のファンは魅了された。
筆頭弟子・桂楽珍(62)の「手水廻し」の後、1席目はお得意の「デジタル難民」。冒頭の“枕”で「後輩の人が先立ったりして、まことに残念な思いをする」と20日に64歳で亡くなった桂雀々さんのことを偲んだ。また、「斎藤元彦さんが帰ってくるし、どうなることやら。全国へ独演会に行って、兵庫県から来ましたというだけで爆笑になるんですから」と新鮮な時事ネタで笑いを誘った。
内海英華(64)の「女道楽」に続く2席目の「老婆の休日」では「これでごはんが食べられるようになりました」。ゲストの立川志の輔(70)の「八五郎出世」に続く3席目の「地獄八景亡者戯」には、最近亡くなった雀々さん、火野正平さん、北の富士昭さん、西田敏行さんらを登場させる25分のダイジェスト版。「最後までやろうと思ったら1時間半はかかります。一緒に楽しい時間を過ごせました」と満足げ。「話し下手、笑い上手に助けられ」と締めくくり、拍手を浴びていた。