◇WBSCプレミア12決勝 日本0―4台湾(2024年11月24日 東京D)
グラウンドで歓喜する台湾ナインを一塁ベンチからじっと見つめ、微動だにしなかった。目を背けず焼き付けた侍ジャパンの巨人・戸郷は「世界大会の借りは世界大会でしか返せない。次のWBCに選ばれるように練習して、必ず次、台湾とやるときは先発で倒したい」と雪辱を誓った。
大会連覇を懸けたマウンド。昨年3月のWBC決勝でも2番手で登板し、今季は巨人で開幕投手を務めるなど大舞台は経験済みだが「重圧も感じたし、今までにないぐらい緊張した」と振り返った。それでも、ポイントに挙げていた初回を無失点で立ち上がり150キロ台の直球を連発し、4回まで無失点。だが、5回につかまった。「納得して投げたボールをホームランにされた。実力不足です。凄い悔しい」。先頭の林家正(リン・カセイ)に先制の右中間ソロを被弾。その後も安打と四球で1死一、二塁のピンチを迎えたが、井端監督は「ジャイアンツのエースでやっている」と続投を選択。だが陳傑憲(チン・ケツケン)に右越え3ランを許し、重い4点を失った。いずれも150キロの直球を運ばれ「流れが一気に相手に傾いた。井端監督に世界一の監督という称号をつけたかった。責任を感じている」と肩を落とした。
5回4失点で敗戦投手。侍ジャパンに28試合ぶりに黒星をつけることになった。「投手陣の柱としてやりたかった…」と戸郷。「まだまだ僕の戦いは終わらない。この悔しさをもう一つバネにしてやっていく」と必死に前を向いた。(小野寺 大)