広島・栗林良吏投手(28)が、年明けをメドにキャッチボールを再開する青写真を明かした。10月にクリーニング手術を受けた右肘の経過は良好。年内はノースロー調整を続け、ウエートトレーニングで下半身中心に鍛える意向だ。6敗を喫した今季を踏まえ、負けの数減を掲げる来季。同じ右肘手術から復活した大瀬良を手本に、マウンドで進化した姿を披露する。
10月16日に受けた右肘手術(関節鏡視下骨棘切除術)から2カ月余り。リハビリを続けてきた栗林に柔和な表情が戻ってきた。
「術後の経過は良好だと思っています。僕は基本12月に投げないタイプ。リハビリメインで、1月にボールを投げ始める準備ができたらいいかな…と」
年明けをメドに…と明かしたスローイング再開の青写真。元々が1月の自主トレ第1クールに塁間を投げ、徐々に距離を伸ばしながら「月末にブルペンで立ち投げができれば…というタイプ」。手術明けでも、従来の調整と大きく変わらない。
「予定通り進んでいけば、例年通りという感じ。ただ、いつもは11月の秋季キャンプ中に投げる。逆に投げない期間が長いので、肩ができるまで時間はかかるかもしれない」
ウエートトレーニングは既に始めている。可動域が戻っていないため「上半身は、まだできていない」ものの、下半身中心に鍛える毎日。「投げることに関して以外は、ほぼほぼできています」と話す表情は明るい。
復活を期す来季に向け、23日の「ファン感謝デー」ではトークショーで負け数に言及した。自己最多の登板60試合、球団最多に並ぶ38セーブ、防御率1.96をマークしながら、0勝6敗に終わった今季。V逸に影響があったと反省する。
「38セーブを挙げたことよりも、注目しないといけないのは負けの数。僕は同点で4敗している。負けの数が4少なければ、チームは優勝争いにもっと食い込んでいたと思う。負けの数は来季、こだわらないといけない」
術後でも進化し、目指すは負けない、勝ち切る守護神。手本になる投手がいる。
「大瀬良さんのように、パフォーマンスを上げることが一番だと思っているので、そこは目標にして、手術明けのシーズンでしっかり結果を出せれば」
同じ右肘手術明けで規定投球回数をクリアし、自己ベストの防御率1.86をマークした先輩右腕に続く。順調な回復ぶりを示す栗林は、そう誓っている。