◇男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン最終日(2024年11月24日 高知県 Kochi黒潮CC=7350ヤード、パー72)
2打差6位から出た岩田寛(43=フリー)が7バーディー、3ボギーの68と伸ばして通算14アンダーで逆転し、ツアー通算7勝目を挙げた。6月のBMWツアー選手権森ビル杯に続く自身初となる年間複数回Vを達成し、賞金ランクは12位から4位に浮上。12年賞金王の藤田寛之の43歳169日を超える43歳305日での最年長初戴冠を視界に入れ、次戦の最終戦を迎える。大会ホストの石川遼(33=CASIO)は通算11アンダーの4位だった。
大きな意味を持つ1勝になった。練習場でプレーオフに備えていた岩田に吉報が届く。祝福のウオーターシャワーは「風邪をひきたくない」と回避した。ひょうひょうとした様子は変わらなくとも、43歳にして初の年間複数回優勝を達成。逆転Vで初の賞金王も視界に入ってきた。
「運があった。このコースは正直僕、ずっと苦手だったけど大好きになった」。決勝2日間は冷たい北風が吹き、グリーンが硬く締まって難易度が上がった。それも経験豊富な岩田には追い風だ。後半、他の上位勢が苦しむのを尻目にスイッチオン。13、15、16番でショットをピンに絡めて2打差6位からひっくり返した。
今大会はシード権が決まる節目。尊敬する56歳の谷口徹が26季保持したシードを失った。岩田は「生涯獲得(賞金による1年シード)がありますよね。本人は使わないって言っていたけど使わせる。寂しいから」。自身も43歳。「ケガと病気はするな」という父の教えを胸に地道な準備は欠かさない。だからこそ40代でも毎年、勝利を重ねていける。
賞金ランクは12位から4位に浮上。「やることは変わらない。僕のままでいく」。ツアー史上最年長の43歳305日での賞金王初戴冠条件は優勝のみ。岩田がトップと約1931万円差で最終戦を迎える。