がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎氏(67)が25日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に出演。政府が22日の臨時閣議で決定した経済対策について言及した。
経済対策は、物価高を克服するため、住民税が課税されない低所得世帯に配る3万円の給付金などが柱となる。国民民主党の要求通り、年収103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」は引き上げる。
本格化する2025年度税制改正の議論で引き上げ幅が焦点となる。光熱費の抑制策や半導体支援も盛り込んだ。必要な経費として24年度の一般会計補正予算案に13兆9000億円程度を計上する。
森永氏は、「非課税世帯3万円給付というのは賛成反対いろいろご意見があるんですけど、全体の予算だと3500億円くらいなので大した金額じゃないんですよ。問題は何かというと、103万円の壁」と“年収の壁”に言及。「これを国民民主の主張と通りに178万円に引き上げると、大体7兆円くらいの財源が必要だと。(財務省などが)金なんてないだろうっていう話なんですけれども、総額で21兆円くらい。ほかのことに関しては一切財源論がないんです」と指摘。
「私が本当に言いたいのは、AIとか宇宙開発に今後5年間で10兆円以上ぶっこむって言っているんですが、AIとか宇宙なんか行かないでいい。みんな生活苦しいんだから宇宙に行って遊んで何するんだって。そういうのをやめて減税すればいいじゃん」と持論を展開。「とりあえずそこに資金をあてて、将来的には手取りが増えれば税収が増えるのだから、短期的なつなぎ資金が必要なだけなんです。だから、ほかのことは財源論を言わないくせに、103万円だけつぶしにかかるのか」と疑問を呈した。
そして、「年末の税制大綱でいくらにするという金額が出てくるんですけど、どうも徹底的につぶすぞという体制が今整えられつつあって、住民税はやらないとか、中所得層以上、つまり低所得層だけ壁を引き上げると。こんなのやったらぐちゃぐちゃになっちゃう」と指摘。「財源論だ財源論だと言っている政治家や評論家、メディア、私がずっと言ってるのは、今回はいいリトマス試験紙なんだと。誰が財務省の下僕かというのが今回財源論で言ってるやつは全部下僕です」と自身の考えを述べた。