米スポーツ専門局「ESPN」電子版が26日までに、1990年以降の主要なフリーエージェント(FA)のスター選手について、「もしこれらの選手がすべて同時期にフリーエージェント市場に出たとしたら、年齢、成績、受賞歴を考慮に入れて、誰が最も価値があるだろうか?」という興味深い調査記事を発表した。
まず、59人の際立った選手を選び出し、FAになる前の最終年度のWAR(勝利貢献度)、直近3年間のWAR、そして結果的に彼らが得た契約内容も考慮。最も価値のあるフリーエージェントのトップ10リストを作成した。
1位は2000年のオフにFAになったアレックス・ロドリゲス。FAになる前のWARは10.4と高く、年齢は25歳と、トップ10の中で最も若かった。メッツと1億8000万ドル~1億9000万ドルで契約と予想されていたが、レンジャーズと10年総額2億5200万ドル(当時レートで約280億円)でサイン。当時プロスポーツ界の史上最高額だった。ロドリゲスは期待に応え、レンジャーズに在籍した3シーズン全てでア・リーグ本塁打王となり、平均8.5WARを記録し、03年にはMVPも受賞した。しかし、レンジャーズは3シーズン全てで勝率5割を下回り、加えて財政的にこの契約を維持する余裕がなくなった。契約残額1億7100万ドルのうち6700万ドルを負担する形で、ロドリゲスをヤンキースにトレードしている。
2位は1年前の大谷翔平。投打の二刀流選手として特異な存在で、史上最も注目を集めたフリーエージェント選手となった。直近3年間のWAR29.6はトップ10に入った選手の中で最高で、キャリアの全盛期のど真ん中にいた。ただし、将来の投手としての価値にはリスクがあると考えられている。大谷は総額7億ドル(当時レートで約1015億円)で契約したが、その多くは後払いであるため、MLBはこの契約の価値を4億6080万ドルと評価。それでもMLB史上最高額だが、この数字はおそらくこのオフにフアン・ソトによって破られる。
3位は92年オフのバリー・ボンズ。直近3年間のWARは26.7で大谷に次ぐ2番目。90年と92年にナ・リーグMVPを受賞し、91年もそれに近い成績だった。6年総額4375万ドルで合意、総額、年平均額ともに当時の最高と高くついたが、「バリー・ボンズは唯一無二の選手」とジャイアンツのピーター・マゴワンオーナーは語っている。結果は大成功。ボンズはその後もジャイアンツと数回契約を結び直し、ジャイアンツで通算7回もナ・リーグのWARでトップに立っている。
4位は今オフFAのソト、5位は22年オフのアーロン・ジャッジ、6位は18年オフのマニー・マチャド、7位は11年オフのアルバート・プホルス、8位は2000年オフのマニー・ラミレス、9位は18年オフのブライス・ハーパー、10位は19年オフのゲリット・コールとなっている。