プロボクシング元統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン(58=米国)が世界的ユーチューバー兼ボクサーのジェイク・ポール(27=同)に敗れた一戦は“八百長”とする意見に対し、興行を主催したプロモート会社「Most Valuable Promotions(MVP)」が25日、「非論理的で愚か」と反論する声明を発表した。
タイソン19年ぶりの公式戦となった一戦は15日、米テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムに7万人以上の観衆を集め、Netflixで配信されて全世界で1億8000万人以上が視聴した。だが、タイソンは2分8ラウンドの試合でほとんど手を出すことができず、途中からスピードを緩めて最後は攻撃をやめたポールが3-0で判定勝ちした。
試合に対する評価は批判がほとんどで、SNSには〓台本〓があったとの投稿もあふれた。米プロフットボールNFLで殿堂入りした元カウボーイズのWRマイケル・アービン氏は「あの試合はうそだ。タイソンには得意のアッパーが見られなかった。タイソンのアッパーは契約書に盛り込めないという噂を聞いた」とトーク番組で主張した。
これに対し、ポールが設立者の一人である「MVP」は声明で「両選手は試合に勝つという目標を掲げ、誠意を持って全力を尽くした。契約上、両選手に一切の制約はなかった。これに反するいかなる合意も(試合を公認した)テキサス州のボクシングルールに違反する」と反論。「ポールvsタイソンでプロスポーツの生中継に初めて進出した世界最大のストリーマー(Netflix)との長期的パートナーシップのデビューにおいて、MVPがこのような不当な違反を検討することは非論理的で愚かだ」と続けた。
声明はさらに、「スポーツでは悪口や憶測はよくあることで、アスリートやプロモーターは無意味な解説、ジョーク、意見も許容する必要がある」と断りながらも、「しかし、ファイターたちが手を抜いたと示唆することは、彼らの努力とスポーツそのものを傷つけるだけでなく侮辱にあたる」と訴えた。