がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎氏(67)が26日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に出演。年収が103万円を超えると所得税が発生する“103万円の壁”に言及した。
国民民主党がこの“壁”である所得税の非課税枠を103万円から178万円に引き上げるよう要求。政府は、住民税についても基礎控除を75万円引き上げた場合、住民税の減収は年約4兆円になると試算しており、与党内では地方税の個人住民税と、国税の所得税を分けて議論する“分離案”も検討されている。
森永氏は「分離案はそもそも実現が不可能なんです」ときっぱり。「なんでかって言うと、今でも103万の壁は所得税の壁。住民税の壁は100万円ぴったりなんですよ。今、多くの人がどう行動してるか?っていうと、102万の年収の人が所得税払わなくていいので、わざわざ住民税だけちょっと払いに申告に行ってますか?って言うと事実上行ってないんですよね」と理由を語った。
続けて「住民税の非課税基準を据え置いて、所得税の103万だけ引き上げると、何百万人って人が申告に行かないといけない」とし、「何百万人が役所に押しかけて行政まわりますか?もしこんなことを強行したら、役所もパンクするし国民もパンクしちゃう。できないんですよ」と分離案の実現は不可能だろうと言い切った。
また、「今やろうとしてる財務省の(103万の壁撤廃に対する)対抗策っていうのは、実現可能性がないやつばっかり」とし、実現可能性のない対抗策を出すことで議論をやめさせようとしてるのではと推測した。
ただ、森永氏は「それじゃ国民は納得しない。民意なんですから。8割方の国民は(103万の壁撤廃を)やろうぜってなってるんだから」と民意が財務省の対抗策に納得しないとした。
その上で「実は税制改正、税制大綱ってのをつくるのが12月中旬がいっぱいいっぱいなんです。つまりあと2週間。2週間の間に全面バトルがどうなるか、見所ですね。税制大綱に間に合わなかったら時間切れ。24時間戦うしかない」とあと2週間で決着を付けないといけないと、あまり時間がないことも示唆した。