ラグビー日本代表が26日、欧州遠征を終えて羽田空港に帰国し、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)と永友洋司チームディレクターが会見に出席した。
フランス、ウルグアイ、イングランドとのテストマッチ3試合に臨み、強豪国から白星を挙げることができずに今季の代表活動が終了。復帰1年目のジョーンズHCは「新鮮な形でスタートした1年。結果は残念だったけど、世界のトップ4との差が分かったことは糧になる」と総括した。
日本の現在地を知る厳しい結果になったが、2027年W杯4強という最終目標は変えないという。今季20人が新たに代表初キャップを獲得するなど若手を積極的に起用した。「我々は未来への大きな投資をしている。厳しい経験を重ねて学ぶことでしか強くなれない。勝つためには負けることも必要」。3年先を見据えるジョーンズHCは、経験の浅いチームにはこの経験も必要不可欠だと強調した。
欧州遠征の3試合では、立川理道(34=東京ベイ)の負傷離脱もあって先発SOが毎回変わる異例の事態に。代表初招集の中楠一期(24=BR東京)や伊藤耕太郎(23=BR東京)は起用されず、SOを本業としないFB松永拓朗(26=BL東京)やCTBニコラス・マクカラン(28=トヨタ)が代役を担った。ジョーンズHCは「現在のジャパンに合うSOはいない。育てないといけない」とした上で、現在の大学生も候補に入れつつ「来年の今頃には有望なSOを3人そろえる」と見通しを述べた。
結果が伴わず、チームの方針に不信感を募らせる選手も出てきている現状。それでも指揮官は「大きく変えることはない。やり続けることが必要。次の3年間でチームを作り上げていく自信はある。アタックでは世界一になれる」と強気な姿勢を示した。目先の結果ではなく、全ては2027年W杯のため。超速ラグビーの完成を目指して“3年先の稽古”を積んでいく。