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中村俊輔氏 個の成長間近で感じた1年 横浜FCコーチ2年目を振り返る

スポニチアネックス 2024年11月27日 4時37分

 【月刊中村俊輔 11月号】22年シーズン限りで現役を引退し、現在は横浜FCのコーチを務める元日本代表MFの中村俊輔氏(46)がサッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。11月号のテーマは指導者2年目の今季。ベンチ入りし、1年でのJ1復帰を果たしたチームで担った自身の役割などを振り返り、今後の抱負なども語った。 (取材・構成 垣内 一之)

 「役割は去年とそれほど変わらなかったけど、選手のディテールに寄り添う時間が今年の方が多かった」

 コーチ就任2年目。昨季は全体練習後にグループ単位で行っていた指導を、今季はより個に焦点を当てた細かいコーチングを心がけたという。

 「例えば裏に抜けるタイプの選手が、いい動き出しをしているのに、なかなかボールが出てこなくて、徐々にやめてしまうことがある。そういう時はパスの出し手も呼んで、“これ凄く重要なプレーだから”と説明し、2人でタイミングをすり合わせたり、そういう細かい作業。映像を見せるのも重要だけど、やっぱりグラウンド上で話すのが一番」

 そういった地道な作業の積み重ねで、選手の成長も間近で感じられた1年だったようだ。

 「(キックが得意な)フク(福森)もそうだけど、個人で武器があると枝分かれするな、というのはやっぱりある。小倉は夏過ぎからスイッチが入って、(井上)潮音も守備の強度が高くなったから、来年が楽しみ。(桜川)ソロモンも自分の特長を持ちながら、チームに合わせたプレーができるようなった。来年J1という環境の中で、どれだけまた成長させることができるか」

 今季からはアウェー戦にも同行。試合ではベンチ入りし、また違った感覚も養われたという。

 「試合の流れによっての選手起用や、前半終えてのハーフタイムでどんな修正をするか。そういうベンチワークを去年以上に関わらせてもらったし、学ばせてもらった。そして試合前、ハーフタイムにどれだけ選手に自信を持たせることができるか、パワーを持たせることができるかが大事だと感じた」

 俊輔コーチらの支えもあり、チームは20試合負けなしのクラブ記録も達成。来季は再びJ1の舞台に戻ってくる。

 「もっといろんな角度からプレーを見て指導できるようにしたい。一番大事なのは人間と人間だけど、数値とかデータも活用しながら、戦術や勝率を上げるために、監督を支えるコーチとして何ができるのか。日々、勉強だよね」

 12月にはS級ライセンス講習の最終行程である海外研修も行う予定。日々進化を続ける「俊輔監督」誕生が待ち遠しい。

 

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