プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が26日に都内で開かれ、ソフトバンクの近藤健介外野手(31)が初のパ・リーグMVPに輝いた。打率・314で初の首位打者を獲得し、同僚の山川穂高内野手(33)との争いを制した。2018年の表彰式に初出席して以来、将来の目標にしてきたMVP。7年越しの思いを成就させた。
プロ13年目で初のMVPに輝き、万感の思いを言葉に込めた。ベストナインに輝いた2018年にNPBアワーズに初参加し、その時にMVPで表彰されたのが西武時代の山川だった。それから将来の目標としてきた近藤は「いつか獲りたいなと思っていた。時間はかかってしまいましたけど、獲ることができてうれしく思います」と満面の笑みを浮かべた。
今季は129試合に出場し、打率・314で初の首位打者に輝いた。パ・リーグで打率3割を超えたのは近藤だけだった。19本塁打、72打点をマークし、最高出塁率のタイトルも獲得し、ベストナインにも輝いた。MVPは本塁打と打点の2冠を獲得した山川を抑えて受賞。「争えたことはホークスの強さを象徴する。(来季も2人で)勝負できる成績を収めたい」と誇った。
山川とはシーズン中もよく会話を交わす。打者としてタイプは異なるものの「考える感覚や大事にしているところ、抑えておくポイントが似ているんですよ」と刺激を受けてきた。
来季もハイレベルな選手がそろうチーム内で切磋琢磨(せっさたくま)していく。2年連続のMVP受賞となればパ・リーグの野手では94~96年に3年連続で受賞したオリックス・イチロー以来の快挙になる。「リーグ優勝と日本一に貢献して、最後にそういうところで勝負できる個人成績を収めたいなと思います」と力を込めた。
信条は「現状維持は後退」。常に進化を目指している天才打者は2025年にどのような打撃を思い描いているのか。「その年でその年のバッティングは終わり。また新たなものを見つけて高みを目指したい」。打率3割、出塁率4割は最低ライン。さらなる打率アップと長打力の向上を目指す。
もちろん、リーグ連覇、今年は果たせなかった日本一への思いも強い。「日本一だったら最高だった。そこは来年以降に悔しさを晴らす」と新しいシーズンを見据えた。 (木下 大一)