最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、初めて「NPB AWARDS」に出席した阪神・桐敷は、早くも来季の勲章を見据えた。
「(チーム内で最優秀中継ぎは)自分しか連続で獲る権利はない。連続で獲ることはなかなかできない。一つの目標としてやっていきたい」
2年連続で同タイトルを獲得すれば、藤川球児、久保田智之、福原忍に次ぐ球団4人目の快挙。猛虎が誇るレジェンド・リリーバーに肩を並べるべく、今オフは投球フォームの微修正とウエートトレーニングによる筋力アップに着手した。疲労回復と同時進行で、さらなる飛躍への足掛かりを築く。
「一年間を戦い抜く体力をつけたい。変化球の精度や真っすぐの質も上げて、調子の波を少なくしたい」
左腕に油断や慢心ははない。両リーグ最多の70試合、43ホールドポイントの功績も、まだ1年に過ぎないからだ。貢献を続けてこそ、確固たる信頼を得る。「中継ぎとして1年目が終わったばかり。ここから自分として重要」と語り「具体的な数字を目指すより、一年間、ちゃんとやっていく」。シーズン完走に加え、今季同様の安定感持続を来季の重要課題に定める。
「1年目(22年)は午前の部(ファーム)で来たが“いつか午後の部に出席したいな”と思っていた。こんな早くかなうとは…」
ウエスタン・リーグの優秀選手賞を受賞し、1軍タイトルホルダーとしての“帰還”を思い描いてから2年。不言実行の25歳は「来年も一年間、1軍で戦力になる」と決意を新たにした。大いなる刺激を得た一日。25年も幾多のピンチを救い、きらびやかなステージの中央に舞い戻る。(八木 勇磨)