NHKは27日、2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」の出演者発表会見を行い、ヒロイン・松野トキの夫で、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がモデルとなったヘブン役を発表した。イギリス出身の俳優、トミー・バストウが務める。08年に英国で俳優としてのキャリアをスタートさせた33歳が、1767人の中から役をつかんだ。
朝ドラ通算113作目の同作は、「怪談」などを記した明治時代のアイルランド人英語教師ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻・小泉セツをモデルに、夫婦の絆を描く。原作はなく、フィクションとして再構成。脚本はNHKドラマ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」などを手掛けたふじきみつ彦氏。撮影は島根・松江で来春開始する予定。
トミーは、1767人の応募者の中から、オーディションで選ばれた。オーディションは海外でも行われ、国内は246人、海外からは1521人(アメリカ1352人、イギリス149人、オーストラリア・ニュージーランド20人)が応募。朝ドラ史上初の外国人ヒロインとなった14年後期放送の「マッサン」のオーディションでは国内232人、海外289人の521人で、約3倍の応募者となった。
トミーは1991年8月26日生まれ、イギリス出身の33歳。07年、ロックバンド「FranKo」を結成し、リードボーカルとして現在も活動中。2008年、「ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日」でメジャー映画に初出演し、イギリスで俳優としてのキャリアをスタートさせた。
2018年からアメリカにも活動を広げ、2024年エミー賞受賞ドラマ「SHOGUN 将軍」にて、マルティン・アルヴィト司祭役を演じ、一躍注目を集めた。10年間ほど「独学」で日本語を学んでおり、日本語が堪能だ。
「SHOGUN 将軍」出演の際のインタビューでは、子供の頃に父が見せてくれた黒澤明監督の映画に惹かれ日本に興味を持ち、武士道に魅了されたことがきっかけで日本語の勉強を始めたと語っている。
また、最近覚えた日本語は?の質問に「臨機応変」と回答し、会場を沸かせた。
来日したのは10月で、現在は日本語学校で勉強中。ヒロインを務める女優・高石あかりとは、この日が初顔合わせだった。高石はトミーについて「スタッフのみなさんから、“誰もがトリコになるような人です”と聞いていました。少し前にお会いしたのですが、本当に明るく優しい方」と、その印象を語った。