将棋の藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=に佐々木勇気八段(30)が挑む第37期竜王戦7番勝負第5局は和歌山市の和歌山城ホールで27日、1日目が始まり、戦型は雁木へ進んだ。午後3時からのおやつに佐々木はパンダロール、シューパリ、五十五万石を選択した。
パンダロールは和歌山県白浜町にジャイアントパンダで有名なレジャー施設「アドベンチャーワールド」があることから、パンダをかたどったロールケーキにみかんやイチゴ、キウイなどを盛り込んだ。シューパリは前日26日の対局場検分前に、両者が訪れた和歌浦にある春栄堂が1日1000個以上販売する看板商品。五十五万石は御三家の一つ、紀州徳川家の城下町にちなみ、葵(あおい)の御紋をあしらった和菓子。藤井もパンダロールを選択したが、佐々木の「トリプルおやつ」という新手は、関係者を驚かせた。
このトリプルおやつが自室へ提供された1時間18分の考慮後、佐々木は8筋の飛先の歩を突き捨てた。この日一番の長考で、消費したカロリー補給とできたかどうか。局面は駒組みから中盤のねじり合いへ移ろうとしている。