◇ボクシング全日本選手権第2日(2024年11月27日 東京・ひがしんアリーナ)
男女20試合が行われ、男子ライトウエルター級は初戦で秋元啓介(東洋大1年)が久保寺啓太(駒大)に3―2で判定勝ちし、初戦を突破した。
長いリーチを生かした右ジャブで主導権を握りながらリングを広く使った。2回には近距離で久保寺の右を被弾しダウンも、以降は冷静に対処した。ただ「情けない試合をしてしまった。僕が負けかなと思う際どい試合だった」と終了直後は浮かない表情も、判定結果を聞くと両手でガッツポーズして喜びを爆発。26日の開会式では約150人の中から抽選で選ばれ、選手宣誓を行い「そこで運を使い果たしてしまった」と舌を出しながら「今回もらったパンチで運が戻ってくるといいな」とあどけない表情を見せた。
青森県出身の秋元はジャマイカ出身の母の影響で陸上部に所属していたが中3からボクシングに転向。自宅近所のボクシングジムで「誕生日もクリスマスも、365日ずっと通い続けた」と猛練習を重ね、青森山田高2年時には全国選抜大会と全国高校総体で優勝し高校2冠を達成した。
この階級では唯一の1年生での出場で、29日の準々決勝以降も厳しい試合が続く。それでも「本気で日本一を目指している人たちに勝って本物になりたい」と気合十分だ。憧れの選手はパリ五輪日本代表の岡沢セオン(INSPA)。「セオンさんのような選手になりたいし、オリンピックでナンバーワンを獲りたい」とまずは全日本選手権での頂点を目指す。